SePT独舞 vol.24 ながめくらしつ 目黒陽介独演『ライフワーク』

ミュージシャンの生演奏とともに

1人のジャグラーが身体とモノで語る

私的で詩的な現代サーカス

◆錚々たる振付家・ダンサーが名を連ねてきた世田谷パブリックシアターの「SePT独舞」シリーズ最新作は、3名の現代音楽ピアニストの生演奏による身体とモノで語る詩的な現代サーカス

本作『ライフワーク』はサイトスペシフィックな群像劇を得意とする”ながめくらしつ”が、初のソロ＆レパートリー作品として創作したジャグリングの舞台作品です。2022年の東京都小金井市・現代座会館での初演後は「FESTAまつもと2022」(長野県松本市)、「豊岡演劇祭2023フリンジ【セレクション】」(兵庫県豊岡市)にて2度の再演を行ってきました。

ピアノの生演奏に包まれた舞台上で、黒い壁の前に佇むひとりの男が、投げては落ち転がるモノたちと向き合い対話を重ねてゆく。そのようなミニマムな構成ながら、目黒自身が”現在”持つすべてを突き詰め削ぎ落して磨かれた先にあるジャグリングの演技に、生演奏ならではの音楽が時に寄り添い時に呼応するように重なり、観客の視界と心にさまざまな情景を紡ぎだしてゆきます。

演出・出演を務める目黒陽介は、10代からジャグラーとしてプロの世界に飛び込み、国内外の大道芸フェスティバルやライブ、舞台公演等で活躍してきました。その経験の中で集団での創作や演出を志すようになり2008年に結成したのが「ながめくらしつ」です。国内では稀有な日本の現代サーカスジャンルをけん引する演出家兼プレイヤーとして精力的に活動してきた実績が評価され、座・高円寺『ひとり・ひとり』(2021/座・高円寺)、「FOCA『悟空〜冒険の幕開け〜』関連パフォーマンス」(2021/世田谷パブリックシアター)等の演出を担うほか、2024年には音楽劇『空中ブランコのりのキキ』サーカス演出監修、日本ソーシャルサーカスの草分けであるSLOW LABELが開講する「SLOW CIRCUS ACADEMY第3期」ゲストディレクター、彩の国さいたま芸術劇場が設立したシアターグループ「カンパニー・グランデ」スタジオ・ワーク講師等も務めています。

また初演から参加して楽曲を手掛けたカンパニー音楽監督であり現代音楽作曲家兼プレイヤーとしてマルチに活躍するイーガルに加え、さまざまな賞を獲得しカナダ・モントリオールを拠点に国際的に活躍する八坂公洋、[KAGERO」「SaraGraceʼs OneHotNight」等のバンドに参加しジャンルを超えた多彩な活動が光る菊池智恵子の3名が、ゲストミュージシャンとして参加します。

2025年3月、国内外から集まった個性と実力あふれる現代音楽ピアニスト3名を日替わりゲストに迎え、シアタートラムの空間を活かした総合舞台芸術としての強度をよりブラッシュアップし、3度目の『ライフワーク』再演をお届けします。躍進する目黒自身の変化と巡演を経て日々発酵するように熟成してゆく本作の”現在”を、どうぞ劇場にてご自身の目と耳と心で体験してください。

【日時】2025年

3月7日（金）19:30 開演演奏：八坂公洋

3月8日（土）15:00 開演演奏：菊池智恵子

3月9日（日）15:00 開演演奏：イーガル

*各回終演後に20分程度のアフタートーク開催

（開催回のチケットをお持ちの方がご参加いただけます ）