【ゴールデンカムイ】尾形百之助のプロフィール・経歴・名言・名シーンなど紹介

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尾形百之助は漫画『ゴールデンカムイ』の登場人物です。

この記事では尾形百之助のプロフィール・経歴・名言・名シーンなどをまとめました。

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【ゴールデンカムイ】尾形百之助のプロフィール

氏名尾形百之助(おがた ひゃくのすけ)
性別男性
生年月日1月22日(生まれ年不明)
年齢推定25歳
出身地茨城県(生まれは東京都)
職業陸軍第七師団・上等兵
身長不明(江渡貝弥作より低く、白石由竹より高いとの記載あり)
体重不明(白石由竹と同程度。門倉利運より軽く、鯉登音之進より軽いとの記載あり)
好きなものあんこう鍋
嫌いなものしいたけ

【ゴールデンカムイ】尾形百之助の経歴

尾形百之助は陸軍第七師団に所属する上等兵で、凄腕のスナイパーです。

鶴見中尉のもとを造反したあと金塊争奪戦に参加しますが、状況によって所属する陣営が変わる、目的がつかめぬ謎の人物。

そんな尾形百之助の過去のエピソードをまとめました。

母親とあんこう鍋

尾形百之助は、第七師団長・花沢幸次郎中将と浅草芸者の母・トメとの間に生まれました。しかし、まもなくして幸次郎と正妻の間に子が生まれると、幸次郎はトメのもとに通わなくなります。

トメの故郷である茨城に戻ったトメと尾形。
トメは幸次郎に捨てられたことでおかしくなってしまい、幸次郎の好物であるあんこう鍋を毎日作り続け、尾形に構わなくなってしまいます。
見かねた尾形は、「自分が食材の狩りをしてきたらあんこう鍋以外の食事も作るようになるのではないか?」と考え、祖父の古い銃で鳥を撃ってはトメへ渡しますが、トメは見向きもせずあんこう鍋を作り続けたのでした。

そして尾形はある日、いつものあんこう鍋に殺鼠剤を入れ、トメを殺害します。
それはトメへの恨みからではなく、「母が亡くなれば父が葬式に来てくれるんじゃないか?」と考えたためだったのです。
しかし、トメの葬式にも父・花沢幸次郎は現れなかったのでした。

異母兄弟・花沢勇作

尾形は成長すると、父と同じ軍人への道を歩み始めます。
陸軍へ入った尾形は、父・花沢幸次郎の率いる第七師団に配属されますが、そこには父と正妻との子・花沢勇作もいました。

勇作は、尾形を兄と知り接触してきます。
尾形は勇作を避けますが、勇作は屈託のない笑顔を向け、「ひとりっこ育ちでずっと兄が欲しかった」と話すのでした。

勇作は見た目麗しく品行方正で、誰からも好かれる好青年。人望と見た目の美しさがないとなれない聯隊旗手にも選ばれています。
片や尾形は芸者の子と軍内で蔑まれ、日陰を歩く人生。
尾形は、父母に愛されて育った勇作と、愛されず育った自分との違いを感じ始めます。

勇作の手を汚したくなった尾形は、日露戦争の二〇三高地にて勇作へ捕虜に手をかけるよう仕向けますが、勇作は父の教えに反すると断ります。
「旗手だけは人を手にかけないことで、兵士に勇気を与える偶像であり続ける」「人を手にかけると罪悪感が生じる」と、父の教えを尾形に説く勇作。
尾形は罪悪感など感じないと言いますが、勇作は「兄様はそんな人じゃない」「人を手にかけて罪悪感を感じない人間がこの世にいていいはずがないのです」と尾形を抱きしめるのでした。

尾形はその後、戦地で旗手として突撃する勇作を、後ろから狙撃します。
撃たれた直後勇作は、ゆっくり尾形の方を振り返りましたが、これは尾形の幻覚でしょうか…。

父をも手にかける

日露戦争後、尾形は鶴見中尉の命により、第七師団長である父・花沢幸次郎を自害に見せかけて討ちに行きます。

虫の息の父に対し、自分が母親と弟を手にかけたことを告白します。
父親が立派な地位でも、愛情のない親が交わってできた子どもは自分のように何かが欠けた人間に育つのか?と問う尾形。
そんな尾形に父・幸次郎は、「出来損ないの倅じゃ 呪われろ」と呪詛を吐きます。
「自分は欠けた人間である」という答えを得た尾形はニヤリと笑い、幸次郎にとどめを刺すのでした。

【ゴールデンカムイ】尾形百之助の強さ・能力

尾形は、猛者揃いの第七師団でも右に出る者はいない名狙撃手です。
尾形の強さ・能力について、エピソードを交えて詳しく見ていきましょう。

高い狙撃能力

尾形は作中屈指の狙撃能力を誇り、頼もしい殿として活躍します。
「300m以内なら確実に頭を撃ち抜ける」技術を持ち、射程距離の短い銃でも2km先の狙撃を可能とする尾形。

尾形と杉元一行が大雪山の寒さで行き倒れそうになった際、アシㇼパの鹿を3匹撃てという指示を受け、2匹同時に撃ち抜くという常人離れした技を見せました。
また、ヤマシギという蛇行して飛ぶため銃での猟は難しいという鳥を何匹も難なく撃ち落とし、一行をびっくりさせました。

観察力

尾形は、狙撃能力とともに突出した観察力も持ち合わせています。
その観察力が数々の窮地を打開していきます。

茨戸で土方陣営と対峙した際は、落ちていた銃弾から誰が撃ったのかを瞬時に判断したり、妊婦が偽物だといち早く気が付きました。
また、山に潜み谷垣を狙撃する際も、谷垣がおとりとしてつるした双眼鏡の動きが「嘘くさい」とすぐに見破りました。

瞬時に状況を観察し的確に見極める力が、尾形の狙撃能力をより高めているのです。

心理戦

尾形はその高い観察力から、相手がどのような罠やおとりに引っかかるかもすぐに判断でき、心理戦に長けています。

その力がいかんなく発揮されたのが、ロシア国境でのヴァシリ・パブリチェンコとのスナイパー対決です。
尾形はヴァシリの考えることから逆算し、尾形に見立てたかかしを囮にしてウイルタ族の棺に入り狙撃の機会を伺う…というように見せかけ、実は微動だにせずかかしに扮していた尾形。
ヴァシリは罠にまんまと引っ掛かり、尾形が勝利するのでした。

ここでのヴァシリのセリフと思われるものは全て尾形が予想したヴァシリの心理なのですが、すべて当たっていたのには驚きです。高い観察力と気持ちを読み取る力の成せる技が圧巻のエピソードでした。

【ゴールデンカムイ】尾形百之助の名言・名シーン

様々な名言や名シーンが醍醐味であるゴールデンカムイ。
その中から、尾形百之助の名言・名シーンを集めました。

親殺しってのは……巣立ちのための通過儀礼だぜ

茨戸にて、土方陣営に対し一人で大立ち回りを見せた尾形。
尾形は土方陣営を囲っていた茨戸のニシン漁長者・日泥親子の番屋に潜り込んだ際、日泥親子の確執を目撃します。

日泥保は、息子の新平が自分の子どもではないことを知り妻に手をかけ、「血が繋がってないと知ってホッとしたわ」と言い放ち、息子をも手にかけようとします。
そこで尾形が父親を狙撃。
立ち尽くす新平に向かい「親殺しってのは……巣立ちのための通過儀礼だぜ」「テメエみたいな意気地のない奴が一番むかつくんだ」と言うのでした。

新平への激励とも取れるセリフですが、この後しばらくして明かされる、自分が親を手にかけて生きてきた過去を肯定したいようにも取れる名セリフでした。

やっぱり俺では駄目か

樺太の旅も終盤、尾形は入れ墨の暗号の謎を解くカギをアシㇼパから聞き出そうとします。
その際アシㇼパから杉元の最期を聞かれた尾形は、杉元の好きな女の名前を自分の母親の名前で答え、最期に言った言葉は「アンコウ鍋を食べたい」だったという嘘をつきます。
この嘘は、本当はどれも自分のこと。すぐにアシㇼパに嘘を見抜かれた尾形は、「やっぱり俺では駄目か」「うまくいかんもんだな」と自分を嘲笑するようにつぶやくのです。

尾形は樺太の旅で杉元になり替わり、アシㇼパの信頼を得て暗号を聞き出すつもりでいましたが、自分のことばかりの尾形には杉元の好物などはわからず、結果アシㇼパの信頼を損ねる結果になりました。
自分は信用に足る人間ではないと自覚していたような、さみしいセリフでもあります。
一連の「流氷問答」は尾形の本音が露呈し、袂を分かつことになる決定的な名シーンでした。

アシㇼパは俺に光を与えて 俺は殺される

金塊争奪戦も終盤、列車で杉元と対峙した尾形は、アシㇼパの毒矢によって致命傷を負います。
その際、走馬灯のように過去と向き合うことになった尾形。
母・弟・父に手をかけてきた尾形は罪悪感を感じない人間などではなく、罪悪感を感じるとそれに押しつぶされ生きていけないと無意識に感情に蓋をしていたのでした。

それに気付かせたのが、アシㇼパという存在です。
弟・勇作同様、尾形に優しく愛を持って接してくれたアシㇼパの光に照らされた尾形。
そうして弟への罪悪感に気付けた事実を尾形は、「アシㇼパは俺に光を与えて 俺は殺される」と表現します。

勇作の言う通り、尾形は「何かが欠けた人間」ではなかったとわかる悲しくも美しい名シーンでした。

【ゴールデンカムイ尾形百之助と関連人物

尾形は孤高のスナイパーではありますが、様々な陣営を渡り歩きました。
中でも特に尾形に関連する登場人物を見ていきましょう。

宇佐美時重

尾形と宇佐美時重は同じ第七師団所属で同期の上等兵。
実は軍人になってからの尾形の回想には、宇佐美がいつも一緒にいたことが後から明らかになります。
弟・勇作へ捕虜に手をかけるよう画策した時も、勇作を狙撃する決意をした際も、父である第七師団長を自害に見せかけた際も、尾形が軍病院から脱走した際も…。

宇佐美は本当に罪悪感なく人に手をかけられる「欠けた人間」ですが、そんな宇佐美と長く一緒にいたことで、尾形は考えを改める機会が失われたことがわかります。
人に手をかけても罪悪感なんてないと言う尾形の言葉を肯定してしまったのも宇佐美。勇作に手をかけることの後押しをしたのも宇佐美です。

尾形は自分を肯定してくれるであろう宇佐美と意識的に仲良くしていた節もあります。
しかし、もし相談する相手が宇佐美じゃなかったら、別の結末があった気がしてなりません。

アシㇼパ

尾形とアシㇼパは、小樽の山中で敵同士として出会いました。
その後土方一派と合流した尾形はアシㇼパ達とも行動をともにすることになります。

尾形は、網走監獄で杉元を狙撃後アシㇼパやキロランケとともに樺太へ渡ります。
金塊への暗号の謎を知るため、杉元になり替わろうとアシㇼパと距離を縮めますが、次第にアシㇼパの「清さ」に目がいくようになります。
アイヌの教えに乗っ取り不殺を貫くアシㇼパを、自分が手にかけた弟・勇作に重ね始めたのです。

そして、樺太の旅の終わり、アシㇼパに魂胆がバレてから尾形は豹変します。
「清い」ままのアシㇼパを許せず、自分を手にかけるよう迫るのです。
すぐそこまで迫ってきていた杉元の声を聞いたアシㇼパは、驚いた勢いで毒矢を尾形の目に射ってしまいます。
思惑通りになった尾形は、狂喜の顔で流氷の上に倒れるのでした。

その後杉元によって助け出された尾形はアシㇼパをつけ狙うようになりますが、アシㇼパに銃を向けるたびに勇作の亡霊が現れるようになるのです。

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鶴見中尉

鶴見中尉は尾形の所属する小隊をまとめる男。
尾形が弟と父を手にかけるに至った過程には、鶴見が黒幕として存在します。

弟・勇作を狙撃した際も、はじめは鶴見中尉の命令でした。
「正妻の息子がいなくなれば、父である師団長は尾形に目を向ける」、そう話した鶴見中尉でしたが、勇作に利用価値があるとわかると命令を撤回します。
あるいは、自分の命令ではなく尾形の独断だったことにしたかったのかもしれません。

父・幸次郎を切腹に見せかけ手にかけたのも、鶴見中尉の命令によるものです。
「残された息子の尾形に失った軍神を見るだろう」そう語り、尾形をその気にさせます。
しかし、実際には鶴見中尉の計画のうちにある「満州鉄道」に幸次郎が反対だったから命令したというのが真実でした。

尾形は出世できると信じてついてきた鶴見中尉が自分を顧みないことに疑問を抱き、第七師団を造反することになるのです。

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