【名探偵コナン】時計じかけの摩天楼のあらすじ・感想｜劇場版1作目にふさわしい不朽の名作

昔も今も変わらずコナンの愛読者・愛視聴者である私。アニメ放送第1回の時にはコナンと同じ小学1年生だったはずなのに、気付けば新一や蘭の年齢を追い抜いていました(汗)

そんな古参ファンだからこそ、記念すべき劇場版第1作目「時計じかけの摩天楼」について語りたい！

…ということで、今回は劇場版第1作目「時計じかけの摩天楼」のあらすじや古参目線での感想を語っていきたいと思います。

名探偵コナン劇場版第1作目「時計じかけの摩天楼」作品概要

• 公開日：1997年4月19日
• 興行収入：11億円
• 配給収入：6億1000万円
• 主題歌： 杏子 「Happy Birthday」
• キャッチコピー：「真実はいつもひとつ！」

名探偵コナン劇場版第1作目「時計じかけの摩天楼」あらすじ

黒川邸にて

ある日の夜、黒川邸で黒川病院の院長・黒川大造が何者かに殺害されるという事件が起こった。現場状況からして黒川家の中に犯人がいると思われ、毛利小五郎は後妻・黒川三奈を犯人と推理するが、ダジャレで犯人にするのかと詰め寄られてしまいます。

見かねた江戸川コナンは時計型麻酔銃で小五郎を眠らせ、いつも通り「眠りの小五郎」として推理ショーを披露。犯人が黒川邸の家政婦・中沢真那美であることを暴きます。

犯行動機は黒川大造が執刀した手術で夫を失った恨みから。中沢の靴下に付着した血痕が証拠となり、事件は無事に解決した。

建築家・森谷帝二からの招待状

黒川邸での事件から数日後の4月26日(土)、高名な建築家である森谷帝二から工藤新一宛にアフタヌーンパーティーの招待状が届いた。

新一は自身の正体(新一＝コナン)の秘密を明かせないためにパーティには出席できず、代わりに幼馴染の毛利蘭に小五郎を代理人としてパーティに出席するよう頼みます。コナンはその条件として5月3日にオールナイトで映画を観に行く約束をさせられてしまいます。

「だって新一、毎年自分の誕生日忘れてんだもん！年に1回私が思い出させてあげてるの」

蘭は0時を回り、新一の誕生日である5月4日になったタイミングで新一が好きな赤い色のポロシャツをプレゼントしようと計画していました。デートに行けるはずないのに蘭の勢いに負けて断れない新一。

「ねぇ、新一は赤と青のどっちが好き？」

「じゃあ、赤かな…」

「赤？なーんだ、やっぱり赤かぁ！私もそう言うと思ったよ！」

森谷邸にて

森谷邸を訪れたコナンたち。

「いまの若い建築家の多くは美意識に欠けています、もっと自分の作品に責任を持つべきです！」

森谷はこのような発言するほど完璧主義者で、建物だけでなく、自分の名前まで左右対称(シンメトリー)にするほどの人物でした。(※森谷帝二＝それぞれの漢字が左右対称になっている)

パーティで出題されたクイズに正解したコナンたちは、殺人事件があった黒川邸、さらには映画を見に行く予定のビルが森谷の設計であることを知ります。

「若い頃はまだ未熟でね、あまり見ないでくれたまえ」

また、蘭は新一の誕生日に2人で映画を見に行く約束をしていることを森谷に伝えるが、行くことができないコナンはどうするべきかと思案する。

「彼、私と同じで赤い色が好きなんです。それに5月は二人とも赤い色がラッキーカラーで！」

連続爆破事件～第1の爆弾

コナンは蘭とのデートをどう乗り切るか阿笠博士に相談しながら、火薬庫からプラスチック爆弾用の爆薬が何者かに盗み出され、黒川邸など4件の邸宅が相次いで放火されるという事件のニュースを見ていた。

その時、火薬庫から爆薬を盗んだ犯人が新一に電話を掛けてくる。

「今すぐ堤向津川の緑地公園に来い、急がないと子どもたちが死ぬ」

公園に着くと、そこにいたのはラジコン飛行機を操縦する光彦・元太・歩美でした。

知らない男からラジコン飛行機を貰ったという話を聞いたコナンは、ラジコンに爆弾が仕掛けられていることに気付き、リモコンをラジコン飛行機に蹴り当て上空で爆発させることに成功。

連続爆破事件～第2の爆弾

しかし、犯人は近くのビルからその様子を見ており、電話で次なる犯行を予告する。

「いいかよく聞け。1時ちょうどにもう一つの爆弾が爆発する」

子どもを装いヒントを聞き出します。

「木の下だ。ただし木の下に埋めてあるわけじゃない。早く行かないと誰かに持っていかれちまうかもしれないぞ。」

米花駅に着いたコナンは、捨て猫のキャリーバッグを発見。

「木の下、根っこ…ネコ！」

コナンはヒントの答えに気付きますが、先にバッグを拾った婆さんが持ち去ってタクシーに乗り込んでしまう。

スケボーや自転車を使って何とかタクシーに追いついたコナンは、間一髪で爆弾を人気のない河川敷で処理することには成功。しかし、爆風の影響で木にぶつかって負傷し、病院で手当てを受けることになる。

犯人がなぜ新一を狙うのか

病院に運ばれたコナンは軽傷で済んでおり、目暮警部と白鳥刑事(当時はまだ警部ではない)に事件について報告をします。また、犯人は変声機で声を変えていることから、工藤新一を知っている人物だと推理。

目暮警部は新一に恨みを持つ者の犯行と見て、過去に新一が解決した事件の中で最も注目を集めた「西多摩市の岡本市長事件」を挙げていた。

この事件は25歳のOLを轢いた犯人として市長の息子が逮捕された事件。しかし、事件に疑問を抱いていた新一が真犯人は市長である事を突き止めましたもの。この影響で市長の進めていた西多摩市の「ニュータウン計画」は頓挫していた。

連続爆破事件～第3の爆弾

再び犯人からコナンへ電話があり、東都環状線に5つの爆弾を仕掛けたことが明かされます。また、電車が爆発する条件として

1. 午後4時を過ぎてから電車が時速60km未満で走行すると爆発する
2. 日没までに取り除かないと爆発する

この2点を明かします。

目暮警部の指示で東都環状線の全車両は時速70kmをキープしながらノンストップで走行。緊迫した状態が続く中、コナンは日没になると爆発する仕掛けについて考えていると、博士がスケボーと逆だとつぶやく。それをヒントに線路に爆弾が設置されていることに気づき、無事に爆弾を解除する。

犯人の正体は？

爆弾解除に成功したものの、使われた爆薬は盗まれた量のわずか4分の1であったことが判明。コナンたちは環状線の爆弾が仕掛けられていた橋や放火された黒川邸も森谷が設計していること、さらにそれらは森谷が30代の頃に設計した建築物であることに気付きます。

犯人は森谷教授に恨みを持つ者かその成功を妬んでいる者と考えたコナンたちは森谷邸へ向かいます。

森谷は犯人について心当たりがないと答えたが、ギャラリー西多摩市の都市開発の計画を森谷が主導していた事を知ったコナンは、新一の声で森谷が犯人であると推理を披露。

動機は若い頃に設計した建築物は建築主の注文や建築基準法の関係でシンメトリーではなくそれらを抹殺したいこと、そして新一の推理によって岡本市長が失脚し、西多摩市のニュータウン計画が中止となったことでした。

新一の推理は証拠が揃っていませんでしたが、自分の眼鏡を犯人の変装道具に見せかけると、焦った森谷は「バカな、それは書斎の金庫に…」と犯行を自供してしまいます。

森谷は屋敷に仕掛けた爆弾を爆発させると脅すが、コナンが起爆装置の電池を抜き取っており爆発を回避。

森谷は逮捕され事件解決…と思われたが、

「これで全て解決したと思ったら大間違いだ…私が抹殺したかった建物はもう一つある」

蘭と新一が映画を見る予定の米花シティービルにも爆弾が仕掛けられていることが森谷によって明かされます。

運命を分ける色

蘭に警告をするコナンだったが、夜10時になると米花シティビルの入口と非常口は爆弾で塞がれてしまう。

森谷が隠し持っていた爆弾の設計図を奪ったコナンは米花シティービルへ向かい、映画館のロビー前までは何とか辿り着いたものの、蘭のいる部屋の扉は爆発のショックで歪んで開かなかった。

森谷はコナンに

「工藤に会ったらこう言っておけ。お前のために3分間作ってやった。じっくり味わえってな。」

こう伝えており、その時のコナンはこの意味が分からずにいた。

変声機で声を変え、瓦礫で塞がれた扉の前で蘭に爆弾を解体させるコナン。しかし、最後のコードを切っても爆弾のタイマーは止まらなかった。森谷は設計図にはない赤と青のコードをわざと残していたのです。

爆発予定時刻は5月4日の0時3分。森谷は新一が誕生日を祝えるように3分間だけ猶予を残していたのでした。

「新一…ハッピバースデイ、新一…」

時刻が午前0時を回えい、そうつぶやく蘭。

「だって、もう言えないかもしれないから…」

「切れよ…好きな色を切れ！心配すんな…おめえが切り終わるまでずっとここにいてやっからよ！死ぬときは一緒だぜ！

コナンは森谷が新一と蘭のラッキーカラーを知っていたことに気付き、蘭に赤を切るな、青を切れと指示しますが、その時には瓦礫で部屋が塞がって声は届かなくなっていました。

そして運命を握る蘭が切ったのは青のコード。

爆弾を止めた後、蘭と再会したコナンは青を切った理由を聞くと、

「だって切りたくなかったんだもん！赤い糸は、新一とつながってるかもしれないでしょ？」

と2人が見る約束をしていた「赤い糸の伝説」の看板を見つめながら答えました。

名探偵コナン劇場版第1作目「時計じかけの摩天楼」感想

劇場版第1作目という思い出深い当作品。まだ灰原すら登場していない主要キャラクターの少ない時期で、白鳥警部がまだ刑事だったのにも時代を感じます。

連続爆破事件がメインテーマとなっており、「コナン映画＝爆発多め」というイメージは問う作品で完全に出来上がったような気がします。インパクトがありますしね。

事件とは別に、博士や小五郎のボケっぷりが炸裂したり、新一と蘭の恋模様も丁寧に描かれており、劇場版ですがコナンという作品から逸れない程度にストーリーがまとまっていたように感じます。

この感想記事を書くにあたって何十回目か分かりませんが当作品を見直しましたが、犯人が誰かだけでなく、爆破を止める流れや運命の赤い糸のくだりまで結構覚えているものだと実感しました。やはり初代映画という思い出補正が強い部分がありますね。

最近の映画と比べるとインパクトは少ないですが、古参ファンだけでなく、最近コナンを知ったファンの方にも「まずはこの作品」と推せる思い出の詰まった作品です。