最近、GANTZの作者で有名な奥浩哉先生の「いぬやしき」の実写映画化が決定し、アニメの放送も開始されましたね。
原作は最近完結したので、アニメも今のところ忠実に放送されていますし、実写化もラストは原作に合わせられるはずなので期待できると思います。というのも、私は結構な原作厨なもんで(笑)
そんな私はというと、高校を卒業したくらいからGANTZにハマり、ネットで何万もするXガンを本気で購入しようか迷うくらいGANTZ信者になっていたアホなんですが、いぬやしきも連載開始からちょいちょい読んでました。
ただ、結構歯抜けで読んでいたので連載終了を機に全10巻を一気読みしてみました。
そこで今回はいぬやしき全10巻を一気読みした感想や見所を紹介していこうと思います。映画化やアニメ化についても語りますよ!
いぬやしきとは
いぬやしきはGANTZの作者で有名な奥浩哉先生が描くSF漫画なんですが、なんと主人公は「おじいちゃん」なんです。まぁ、老け顔ってだけで正確には58歳なのでおじさんですかね。
ちなみに主人公の名前が「犬屋敷 壱郎(いぬやしき いちろう)」だからタイトルはいぬやしき。
あらすじは何をしても冴えないおじさんがある事故をきっかけに全身サイボーグになり、「生きてる感じ」を実感すべく人を助けたり、時には戦ったりするハートフルなSF漫画です。
また、同じタイミングで全身サイボーグになった少年と敵同士になり、光と闇の対決…いわゆる王道バトル要素もあります。画はGANTZを読んでいる方なら分かると思いますが、奥浩哉先生独自のCGを取り入れた作画で安定の美しさです。
要するにめっちゃおもしろいです(笑)
感想・見所について
ここからは私が個人的に選ぶ物語の見所を感想を踏まえて紹介していきます。
主人公が冴えないおじいさん
この作品の一番の見所と言えば、やはり「主人公が冴えないおじいさん」という点です。
【参照:いぬやしき1巻より】
ローンが嫌いだから58歳でマイホームを購入したりしているところが控えめな性格を全面的に押し出している感じで、家族にも相手にされない苦労人。ましてや急にガンが発覚し、余命3ヵ月を宣告されるなんて苦労人にも程があります。
控えめで苦労しているサラリーマンに救いはないのか…と希望を失ってしまいそうな人物像…それは本作品の主人公・犬屋敷壱郎なんです。
正義がおじいさんで悪が若者~「生きてる感じ」の相違~
この作品は主人公がおじいさんというだけで普通ではないのですが、主人公と相対する敵が「若者」というのが最大のポイント!
壱郎が夜な夜なふらりと散歩に出かけた公園の1コマでしれっと映っているこの少年こそが、主人公と同じタイミングでサイボーグになってしまう「獅子神 皓(ししがみ ひろ)」です。
【参照:いぬやしき1巻より】
ほんとにしれっと映っています(笑)
壱郎とは違い、サイボーグになった体をすぐに使いこなすようになり、指から見えない銃弾が飛び出す攻撃「バンッ」を早々に使いだしたり、
【参照:いぬやしき2巻より】
背中からジェットを出し、空を飛ぶことも早々にマスターしています。
【参照:いぬやしき2巻より】
ちなみに壱郎はというと、自分がサイボーグになっていると知った時のリアクションがコレ。
【参照:いぬやしき1巻より】
「わああああああ」
普通こうなりますよね(笑)
でも獅子神は壱郎とは異なり、心のないサーボーグになっていってしまいます。
壱郎も獅子神も自分がサイボーグになってしまった時に「自分はもう人間ではない」と感じてしまうのですが、壱郎は「人を助けている時」に、
【参照:いぬやしき1巻より】
獅子神は「人を殺している時」に
【参照:いぬやしき2巻より】
「生きてる感じ」を実感するのです。
ここで生まれる「生きてる感じの相違」がこの物語の一番の見所!
普通年齢の高い方が悪で正義は若者ってのが相場なのに、この漫画だとそれが逆。まぁ、奥浩哉先生はGANTZの時から結構そういった設定あるからわかります(笑)
【参照:いぬやしき7巻より】
これは、獅子神が暴走して無差別に人を殺めていくのを壱郎が阻止している際に、ついに獅子神が壱郎の存在を認識するシーン。
お互いに自分が人間でありたいという気持ちをぶつける先が違う事を知り、獅子神が自分が悪役で壱郎が正義になってしまった事を悟ってショックを受けます。
というのも、最初は暴走していた獅子神ですが、物語の中盤では人を救う努力もしていたから余計にこの感情が溢れてしまったのでしょう。ましてや元々は普通の人間だったのに歯止めが利かない状況なので尚更です。
ほんと奥浩哉先生の漫画は心理描写がリアルだと思います。
GANTZで玄野が多恵ちゃんと再会するシーンや、加藤が弟の歩の元に帰るために奮闘するシーンはこっちまで気持ちもってかれましたから。この作品でもまさにそんな感じで強制的に感情移入させられます。
犬屋敷麻理さんが美しすぎる件
奥浩哉先生の漫画の最大の魅力はCGを作られたカッコよすぎるメカだったり、前述した心理描写だったりするわけですが、もっと大事なのが「美しすぎる女性キャラ」だと思います。
今作だと壱郎の娘・犬屋敷麻理がそれにあたります。
【参照:いぬやしき1巻より】
いや~、美しい。というか作中で同級生に美しいと言われちゃってますからね(笑)
GANTZのレイカや岸本にハートを射抜かれた読者はたまらないでしょうね。当然私もその一人(笑)
ちなみに画像にもありますが、初期は性格最悪の女子高生に見えていたんですが、物語が進むにつれて実は性格の優しい子だということが分かります。性格最悪なのは思春期特有の「ツン」が強い時期だからでしょう。
【参照:いぬやしき1巻より】
こんなこと平気で言ってしまう娘が…
【参照:いぬやしき9巻より】
自分がサイボーグになってしまい、人を助けながらも苦悩し続けていることを家族に打ち明けた際に「お父さんだよ」と涙してくれるなんて。
このシーン読んでてかなりウルウルしました。同じ父親として娘からこんなに信頼されてるなんて胸アツな展開です。
【参照:いぬやしき6巻より】
クールなサバサバ系に見えて、漫画家になりたいことを感情むき出して親に相談する姿も奥浩哉先生の心理描写のリアルさが出てるシーンだと思います。ここで一気に麻理の「デレ」が垣間見える貴重なシーン(笑)
カッコいいバトルシーン
GANTZの時もそうでしたが、奥浩哉先生のCGを取り入れたメカはどれもカッコよすぎです。
今作は体がサイボーグになっているので言ってみれば全身メカ。つまり常にカッコいい状態なわけですね(笑)
それが最大限に活かされるのはやはり戦闘シーンだと思います。
【参照:いぬやしき8巻より】
獅子神からの連続攻撃に耐えつつ、壱郎が反撃を開始するシーン。
訓練によって自身の体を使いこなし、「ばんっ」で見えない銃弾を発射しています。このおじいさん…カッコよすぎる!
【参照:いぬやしき8巻より】
空中での激しい戦いの末に、獅子神の両腕を破壊するシーン。このおじいさん…ワイルドすぎる(笑)
というか月が下に見えるんですが…どこで戦っとるんですかあんたら(笑)
こんな感じでとにかく戦闘シーンがカッコいいです。どちらも同じ体なので戦闘力は互角のはず。でも負けられない戦いがそこにはあります。頭を使って同じ戦闘力でもどうやって勝つのか考える…手に汗握るバトルが超カッコいいメカと共に描かれているわけです。これはアツい!
映画化やアニメ化についての私論
いぬやしきの見所について熱く語ってきたところで、ここからは映画化・アニメ化についての私論を述べていきます。
映画化について
映画版のいぬやしきは現時点ではキャスティングくらいしか分かってないのですが、そのキャストに注目が集まっています。
一番の注目は主人公の犬屋敷一郎を演じる木梨憲武さんです。
お笑いコンビ・とんねるずで有名なノリさん。私も小学生の時に野猿にどっぷりハマり、矢島美容室とかも聴いてたのでノリさんがまさかの壱郎役でビックリしてます。
また、獅子神役は佐藤健さんということで容姿端麗な中に見えるドライな部分がピッタリだと思います。ただ、高校生役のはずなので少し歳が違いすぎるような…映画では大学生の設定とかに変わってるかもしえませんね。
【画像引用元:映画.com】
ノリさんは特殊メイクで原作の壱郎にかなり似せてきています。頬の肉が重力に負けている感じがおじいさんらしさを出していますよね。
他に気になるのは美しすぎる犬屋敷麻理なんですが、三吉彩花さんが演じる事が決まっているです。
まだ公式画像は出ていませんが、容姿端麗ですし、黒の綺麗な長髪がピッタリです。ここ最近の漫画実写化で一番ハマっていると個人的には思います。美しい麻理さんに期待!
ストーリーはまだ公開されていませんが、原作も完結している事ですし、ラストバトルやクアイマックスは原作に合わせてくる可能性があります。中盤は端折らないと時間が足りないので原作序盤と終盤にかけてを映画化してくれると原作ファンも納得です。
実写映画化ということで全身サイボーグになったからだをどう表現するのかにも期待ですね!
アニメ化について
この記事を書いている時点で5話まで放送されているんですが、感想としては「最高」の一言です。
というのも、原作が完結しているだけあって原作に忠実にアニメ化されています。変な引き延ばしやしょーもないオリジナルストーリーが入っていないことが本当の意味での「漫画が動く」になっていると思います。
また、声優さんもいい感じです。
いぬやしきのアニメでは声優さんが主演をつとめるのではなく、俳優さんが声優に起用されています。声優のプロではないけど俳優だから感情を込めて演技できるという点がキャラクターの人間味を上手く出せていると思います。
主人公の犬屋敷壱郎役は小日向文世さん、獅子神皓役は村上虹郎さんが担当しています。
小日向さんは完全に見た目で選んだでしょ…ってキャスティグ(笑)
村上さんはドラマ「仰げば尊し」で一気に知名度が上がった俳優さんです。私もドラマをリアルタイムで見てましたが、不良が改心して吹奏楽を必死に頑張る姿がカッコよかったです。
「いぬやしき」は教育上あまり良くないようなキツめの描写があるんですが、深夜帯のアニメという事で予想以上に忠実に描かれていて逆に心配です。
獅子神が無差別で住宅を襲っていくシーンなんかなぜアニメでOKができたのか謎なんですが(笑)
後半になるとサイボーグ同士の派手なバトルが繰り広げられるので、そのあたりの作画にも注目したいです。今のところ、ものすご~く予算入ってそうなのでたぶん凄い期待できます。残りの話も毎週楽しみです。
まとめ
今回は私が大好きな漫画家・奥浩哉先生が描く「いぬやしき」について紹介していきました。
原作の連載が終了してから実写映画化・アニメ化するパターンは大抵成功するのがお約束的なところがあるので、今後の映画情報やアニメの放送から目を離せません。
ちなみに物語のラストは壱郎が自分が機械になった意味を悟る感動的なクライマックスでした。
奥浩哉先生の描くこだわりまくったメカや人間の心理描写が家族愛や大切なことについて教えてくれる漫画だと思うので、興味のある方は是非読んでみて下さい。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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