友罪（映画）無料フル動画配信情報！Netflixやhuluで見れる？

「友罪」は最後まで見るとすべてが理解できる
全く知らない者同士ながら、同年代であり、同時期に入社しただけの益田（生田斗真）と鈴木（瑛太）の心がだんだん近くなって行き、その理由がわかるところが見どころ。どちらも何らかの罪を背負っているが、最初はだれがどのような罪を犯したのかわかり難く、読者に想像させながら話が展開していく。鈴木の犯罪は前半でほぼ明らかになるが、それを何故益田が理解し、鈴木と友達になる気持ちが芽生えてくるのかが分からない。その益田の鈴木に寄せる想いの膨らみを見ていると益田の潔白さ、受容性、心の広さが感じられ、益田の誠実な人間性を垣間見てしまい、益田の罪など思いもつかない。しかし、その罪を知ったとき益田の鈴木に寄せる想いの理由が明らかになる。それは気持ちどおりに動くことのできない子供であれば誰もが犯してしまいそうなほど、単純だが、残酷な罪だった。瑛太の一貫して暗く沈んで何を考えているかわからない人物像、生田の誠実で冷静、そのくせ心に熱いものを秘めている人物像の描写が絶妙で、映画全体の中心を占めているが、そこに夏帆の存在、佐藤浩一の家族の物語が粘着質に絡みつき、家族、恋人、友達といった関係の中で、単に生きていくだけで誰にも起こりうる様々な問題があちらこちらで生ずる。人間の罪というものに対する向き合い方を考えさせる物語である。薬丸岳の物語はいつもシリアスな中に人間の暖かみを残してくれる。見た後は納得してしまう映画である。

少年犯罪からの更生をテーマにしている社会派映画。自分が仲良くなった友人がかつて凶悪犯罪を犯した少年であったら、という物語です。本作では酒鬼薔薇聖斗事件などがモチーフとされており、少年犯罪への問題意識が前面に出た作品つくりとなっております。現在の少年法では、未成年であれば犯罪を犯しても実名報道はほとんどされず、普通に社会に復帰することができます。長くても8何程度の刑期でしょうか。実際に自分が気づいていないだけで、過去に殺人などの犯罪を犯した人って身近にいると思いますし、それを証明するような映画です。人を殺した人が何食わぬ顔で自由に生きられるというのはかなり恐ろしいですし、それが普通にできるのが日本という国。そして凶悪犯罪を犯した少年は更生しているのか、という問題です。本作は、その更生に対し疑問を突きつけているように思えますし、実際に一度心が歪んだ殺人鬼は社会で何かしらの問題をおこしますし、再犯率が高いのもまた事実です。僕もやはり凶悪殺人鬼は更生は無理だと思いますし、実際にそんな人間がシャバにいると思うとぞっとしますが、それが今の日本でもあります。少年犯罪や少年法のあり方をとうサスペンスです。

過去にトラウマを抱えた大人たちの物語
タイトルからして、生田斗真が演じるキャラと瑛太が演じるキャラがもともと友人関係にあるのかと思ってたけど、別にそういう訳じゃなくて物語の中で親しくなっていく感じなんだよね。過去に問題を抱えた大人たちが、社員寮で一緒に生活をする中でお互いのことを少しずつ知っていく。考えてみたら子どもの頃からの友だちって、結構本音でぶつかったり、一緒にふざけたり、ありのままの自分で接することができてたけど、大人になってできた友だちには、自分の弱味とか本音を全部話したりしてないなって思った。作中では、仕事とか共同生活を通して、ふたりが徐々に打ち解けていくんだよね。それぞれが過去に抱えた問題っていうのが結構重くて、最後まで目が離せない展開になってるよ。
瑛太が演じるキャラがちょっと個性的で、悪い奴じゃなさそうなんだけど、どこか不気味な感じを漂わせてるんだよね。この人が抱える闇はなんなんだろうってどんどん映画に引き込まれちゃったなあ。
あと夏帆の演技が凄かった。どちらかというと、コミカルなお芝居が多いイメージだったんだけど、一気に覆されたよ。過去にトラウマを抱えた女性の役なんだけど、画面に映っているだけで、その人の不安や辛さが伝わってくるようだった。物語の途中から登場するんだけど、キャラに感情移入してしまって、そこからは結末が気になって仕方がなかった。

簡単に言うと、「命」や「死」について考えさせられる暗くて重めな作品でした。そしてとくに、生田斗真と瑛太の演技力には驚かされました。彼らの演技力の高さにより、すぐにストーリーに入り込んで見入ってしまいます。加害者はいつか幸せになってしまっていいのか、と深く考えさせられました。大きな罪と小さな罪は誰も判断できないことであって、赤の他人からすれば小さな出来事であっても当事者にとっては重大なことである可能性もあるなとか、普段考えもしないようなことを思いながら見ていました。佐藤浩市の子供を簡単に許そうとしない場面での一つ一つの言葉が印象的でした。ラスト15分には特に注目して見てほしいです。鳥肌が立ってストーリーに圧倒すること間違いなしです。私自身もいつなにかの被害者もしくは加害者になるか分からないなと、何気ない日常に感謝しつつ生きていこうと強く思いました。全体的にストーリーの展開を予想して見ていましたが、毎回予想や期待を良い意味で裏切ってくれるので一つの作品として楽しんで見ることができました。ヒューマンドラマや映画が好きな人にはぜひ見てほしい作品です。見始めるとおもしろくてあっという間に見終わってしまうこと間違いなしです。

瑛太の爽やかなルックスは女性が憧れる彼氏役として爽快感があふれる役がすごく多かったように印象を受けます。そのようなヒーロー役が多かった瑛太の鬼気迫るサイコパスで狂った演技が彼自身の演技の幅をとても広げたように思われました。
彼の演技は素晴らしいのですが、一転そのストーリーは単調でやや脚本家の能力不足なところが目立ってしまう映画でありました。被害者家族の意識に寄り添い生きている佐藤浩市の態度は罪に対する贖罪の気持ちの深さがそこにありました。いつまでたっても許されるべきではない罪の意識を一生涯にわたって背負い続け、その罪の十字架は自信が死んでも尚続くようだと思われるようなそんなの罰の深さが見事な演技によって伝わってきました。
更生という意味では人間関係を持つことより大切な人を失うということで理解しやすいのですが、被害者家族になるという難しさは、受動的な被害者が運命を感じる悲劇としてとても考えさせる話であります。
青柳がどうしても酒鬼薔薇聖斗というセンセーショナルな事件を思い出させ、学校の前に生首を置くあの事件を彷彿とさせるのは致し方ないのかもしれません。その点でフィクションからどうしてもノンフィクション感を感じてしまうのはその圧倒的なまでの存在感の酒鬼薔薇聖人だからなのかもしれません。原作は読んでいませんが、この映画を見て少し原作にも興味を持ちました。そんな優れた映画であります。