わたしを離さないで（ドラマ）の見逃し配信・無料視聴まとめ！Netflixやhuluで見れる？

この作品は、イギリスの作家カズオ・イシグロの同名の長編小説を原作としたドラマです。人間のクローンが存在する世界で、クローンは「提供者」と呼ばれ、いずれ臓器提供にその身を捧げて命を失う運命にあります。主人公たちはその「提供者」側の人間で、繊細な幼少期に自分たちの存在の役割を知り、苦悩の人生を歩むのです。問題なのは、彼ら「提供者」に普通の人間と全く同じような人格や意思が存在すること。しかし、作中の世界ではそんな彼らの人格は無視されます。きっと、人格を認めるのが怖いのです。自分たちがやっていること、見て見ぬふりしていることの恐ろしさを直視したくないのです。人権とは何か？人生に役割や期限が定められていたとして、生き続ける意味とは何なのか？といったことを深く考えさせられるドラマです。この作品の見どころは、綾瀬はるか・三浦春馬・水川あさみをはじめとする豪華キャスト陣と、その熱演っぷりです。ただでさえ壮絶なストーリーが、彼らの巧みな演技によってぞっとするほどの世界観に練り上げられています。特に、水川あさみ演じる自由奔放で小悪魔的キャラクターな女性・美和が、最後に見せた「弱み」の壮絶さ、そしてタイトル回収でもある「わたしを離さないで」というセリフはすさまじく、今でも胸に刻み込まれています。

この作品の主人公は、綾瀬はるかさんです。綾瀬はるかさんと言えば、好感度のある女優さんとして知られていますよね。この原作者は、英米でベルトセラーとなったカズオ・イシグロさんです。これだけでも、「わたしを話さないで」というタイトルから興味が膨らむでしょう。でも、ある意味、大変シュールな話を描いています。生まれて来たのに、生まれながらにして臓器提供者になる使命を持った人間関係や主人公の恋心も見所です。何のために、誰のために、生まれて死んで行くのでしょう。自分に問いかけたくなる作品になっています。臓器提供という重い言葉から、見るのが怖くなるかもしれませんが、主人公の感情を出さずに周りの人間と、自分の運命と、どう向き合って行くのかが魅力的な話だと言えます。そして、ラブストリーとも言える作品です。相手は、三浦春馬さん、また魅力的な男優さんです。二人を取り巻く環境がどう変化して行くのかも、吸い寄せられるように見てしまうドラマになっています。人は、いつかは死というものに向き合う時が来ます。このドラマを見ると考えさせられるところが質の高いドラマではないかと思います。また、この難しい役どころを綾瀬はるかさんが、見事に演じています。人によっては、重たいドラマかもしれませんが、他のラブストリーよりも人生までも振り返って、今を大切に生きることが、どんなに良いことなのかと思わせてくれるドラマです。是非、観て欲しいドラマです。

とにかくドラマの世界観が面白いです。最初はなぜ彼女たちが、こんな施設で育ってきたのか疑問に思いましたが、実はクローンとして育てられてきたということを知って、本当に衝撃を受けました。クローンとして生きながらも、人間として悲しむ心や考える脳がちゃんとあって、だからこそ苦しむ彼女たちの姿に、胸がとても痛かったです。原作小説を読んだことはありませんが、ドラマだけでも充分に面白くハマれる内容になっていました。また、今は亡き三浦春馬さんも出演されていて、彼の演じた友彦が最後の提供で亡くなってしまうシーンでは号泣しました。このドラマでは、毎回のように生きることについて考えさせられ、泣くことが多かったと思います。施設で暮らしていた子供時代と、外で暮らすようになる大人の時代とで、主人公たちの考え方が変わっていくようになるのも面白い見どころでした。中でも、美和を演じた水川あさみさんの演技が良かったです。少し意地悪で主人公の恭子（綾瀬はるか）に異様に固執しているような人でしたが、実は誰よりも彼女のことが好きだったことが分かり、別れのシーンでは涙が止まりませんでした。そんな彼女を最後まで、葛藤しながら介護し続けた恭子の姿にも涙が溢れてきて、恭子が最後を迎える日までもっと続きが見たい！と思えるドラマになっていました。

クローンという言葉を知っていて、大切な人が亡くなった時に、クローンで再生できれば良いのになどと思った事がありました。この作品を見て、クローンはやはり道徳的に作ってはいけないと思います。
このドラマは、クローンで生まれた人たちが、どれだけ葛藤をして生きなければならないかという現実を知らしめてくれました。
このドラマは、陽光という施設で育ったクローンの人たちが主人公となった作品です。子ども時代から大人になり、介護人になるまでの恭子役の綾瀬はるか、友彦役の三浦春馬、美和役の水川あさみの複雑な三角関係が描かれています。三角関係でありながらも、三人が離れられない関係は、クローンという悲しい運命を共有しているからでしょう。亡くなった三浦春馬の演技も素晴らしく、生をテーマにした作品に出演したのが、オーバーラップしたのではと思いながら見て涙が出ました。猶予という生命の延期を希望するのですが、実際には猶予という制度はなく、最後は介護人として、死に行く姿を目の当たりにしながら自分が通知を受け取る日に怯えながらの日々を送ります。そして、通知がきて3度目の臓器提供の後は…。生きるという意味と命の大切さを教えてくれた作品です。

カズオ・イシグロの小説原作の、「わたしを離さないで」。決してテンポ良く見やすいドラマではなく、人間の根っこの部分にあるエゴや醜い姿を暗く重々しく表現しているドラマです。もちろん良い意味で。テーマになっている臓器提供、命、生、死、奇跡…。それぞれについて、きちんと表現されています。しかし視聴者に唯一の答えを一方的に提示するような主張ではなく、登場人物たちのセリフによって問いかけられるという、視聴者一人一人に考えさせるような表現だったところが個人的にはかなり共感できました。臓器提供や生や死について、これほど深く様々な視点から考える機会をこのドラマにつくってもらった気がします。登場人物の恭子、美和、友彦、龍子先生がそれは良い演技でした。感情を出さなかった恭子の涙、人を欺き狡猾に生きてきた美和の本来の無邪気な明るい笑顔、飄々と生きてきた友彦の怒り…。3人の奥底にある心情を表情に爆発させるような演技、見どころです。純粋に、第一話を観たときに、「最初から提供するために生まれてきたなんて、かわいそう」という思いを抱くかもしれませんが、それは私たちも同じだと気づきます。私たちも、死ぬことは決まっている。ただ目的や幸せを自由に求めることができるだけです。このドラマを見て、奇跡とは毎日誰もが感じられるものであると改めて感じることができました。5年後、10年後、と、自分が生を重ねていくなかで何度となく見返したいドラマです。