ツナグ（映画）無料フル動画配信情報！Netflixやhuluで見れる？

『ツナグ』は2012年に公開された松坂桃李さん主演のファンタジー映画です。
両親を既に亡くしている高校生の渋谷歩美(松坂桃李)は祖母の渋谷アイ子(樹木希林)と、生きている人に死者を会わせる仕事をしています。

アイ子には死者を呼び出せる能力があり、亡くなった人にどうしても会いたいと希望する人へ一晩だけ会わせてあげていました。
しかしこのことをアイ子が持病で続けるのが難しくなったため、孫の歩美にこの能力を引き継いでもらいたいと願っています。
自分が生きているうちに誰かに引き継いでもらわないと、この能力は途絶えてしまうからです。

歩美は見習いとして、アイ子が呼び出した死者を会いたいと願う人に会わせるようホテルで待ち合わせしてルールを説明し、死者が待っているホテルの一室へ案内していました。
様々な事情のある人達が亡くなった人に会ったことから、どのように人生が変化するかというのがこの映画の見どころです。

亡くなった人と生きている人が会えるチャンスは人生に一度だけ。
自分が会いたいと思っていた人から呼び出されるとは限らないので、呼び出された死者は会いたいと希望している人と会うかどうか選択できます。
(このルールはこの映画の重要なポイント)
しかし死者の方から生きている人に会いたいとリクエストすることはできません。

歩美は死者と生きている人を会わせる仲介をするうちに、必ずしも会って良い方向に転ぶとは限らないことを知って複雑な気持ちになります。
アイ子は歩美の両親の死は自分のせいだと感じており、歩美に申し訳ない気持ちでいます。

歩美の父親の浮気を知った母親が父親を責め、逆上した父親が母親を絞め殺して父親は自殺したものとされていました。
実は歩美の父親はアイ子からこの能力を引き継いでおり、アイ子は妻にも話してはならないと言っていました。

死者を呼び出すツールの鏡は、この鏡と契約をして能力を引き継いだ人以外の人が見ると、見た人と鏡の契約者の両方が死んでしまいます。
アイ子は歩美の母親がこのことを知らずに鏡を見てしまい、二人共死んだことを涙ながらに告白します。

しかし歩美はアイ子に、父親は母親に能力のことは話していたが、母親を怖がらせないよう鏡のことは話してなかったこと、母親は父親に死者を会わせてあげようと思って自分が呼び出そうとして鏡を見てしまい、二人共亡くなったのだろうということを話します。

能力を引き継ぐと自分が会いたい死者に会うことはできなくなります。
アイ子は歩美に、父親か母親のどちらかに会いたくないかと訊ねますが、歩美は会うならアイ子に会おうと心に決めて、両親には会わずに能力を引き継ぐ儀式をアイ子と始めます。
私が会うなら亡くなった誰に会おうかと考えた時、まだ一人に絞りきれません。
自分の命がさほど長くないと悟った時に、あの世で会いたい人にまだ私が生きてるうちに会っておいて、彼岸に往く心得を伝授してもらうことを楽しみにしておきます。

何年か前に亡くなった祖母に会いたいという思いや、自分が生きるのがつらくなっていた時に、この作品の死んだ人に会えるという設定に興味を惹かれて視聴しました。

死後の人と会えるというのはSFチックでしたが、映画の中の登場人物たちが死んだ大切な人に伝えられなかった思い、後悔の念をいだいているのは共感できる部分がありました。

ただ、松坂桃李が生きている人と死んだ人をつなげる男子高生という設定なのですが、そのキャラクターの性格が最後までいまいちつかめず、人に対してあまり関心がなく人間関係に関して鈍感なのかと思えば、生きている人と死後の人を会わせようと必死になる場面もありキャラがすこしぶれているなという印象でした。

また、橋本愛演じる高校生とその親友の高校生が冒頭から登場するのですが話の流れ的にどっちかが死んでその後二人が松坂桃李を介して会うのだなということも何となく読めてしまう展開でしたが、どちらもかわいかったのでまあよいです。

ただ、生きている橋本愛と死んでいるその親友が会うシーンは親友の心情が読めず少し不気味に感じるところもありました。全体的に演技もストーリーも少し中途半端で松坂桃李の祖母役の樹木希林の演技がやはり一番光っていて彼女がいるから成り立っている映画だなとも思いました。興味があるなら休憩がてら見るくらいをおすすめします。