そして父になる（映画） 無料フル動画配信情報！Netflixやhuluで見れる？

この映画で一番のみどころは、自分の子が他人の子だったと知らされた父二人の葛藤とその演技力の高さだと思います。

都会で暮らす父に福山雅治さん。少し冷血であり、あまり他人に関心もなく、自分の子と血のことしか関係しないのかしらと感じさせる表情と態度がとても上手かったです。そしてもう一人の父役にはリリー・フランキーさん。リリーさんの場合はまた違っており、子沢山で子供が大好きというのが全面に現れるいつも笑っているタイプで、実際にどちらに育てられた方が幸せ？と表面上はそう考えてしまいますが、お金だったり都会と言う部分だったりと、色々精査して見るとどちらも一概に良いとは言えず、実際子供の立場にたって考えると、それまで実の両親としで愛されて来たと感じたのにある日突然それは違うというアイデンティティの崩壊に繋がる内容でかなりゾッとしました。

二人の父もそうですが、母たちの葛藤もあります。二人は自信が産んだ子がまさかの取り違えられていたと知るのです。その痛みは計り知れないと思います。
そして一番傍にいた人物たちです。胸のつっかえは一生取れず、きっと苦しむのだろうと思います。実際何年も自分の手で育てていれば、自分の子ですし、二人とも欲しいという言葉に真実味を感じ、この映画の重さを感じました。良い映画でした。

建築家のエリート会社員の父親と専業主婦の妻と6歳の息子の3人家族の野々宮家のところに、息子が生まれた病院から連絡が来て、看護師によって子どもが故意に取り違えられ、一緒に暮らしている息子とは血の繋がりがないことを告げられます。本当の子どもは、違う家族と暮らしていて、その家族は小さな電気屋を営む庶民的な家庭で、裕福な野々宮家とは対照的でした。血の繋がりを選び、子どもは本当の家族の元に戻すことになったけれど、これまで愛情をかけて育ててきた息子を手放すことへの、それぞれの両親たちの葛藤が描かれている作品です。

特に、福山雅治か演じる父親の野々宮良多は、仕事ばかりで今まで息子と向き合うことをせずにいて、これまで暮らしていた息子と離れ、息子が隠れて撮っていた自分の写真を見て初めて、血の繋がりではなく、絆が大事であることに気付きます。とても難しいテーマで、もし自分が親の立場なら、血が繋がっていないからといって、6年間育ててきた息子と離れることができるのだろうか、また、それを受け入れることができるのだろうか、簡単には答えを出すことは出来ないし、考えるととても苦しいです。最終的には、この映画の終わり方は、はっきりと答えが出たわけではなかったけれど、それはそれで良かったです。

赤ちゃんの取り違えが題材になっているということ、福山雅治さんが父親役を演じているということで興味を持ちこの映画を見ました。
実際に見たらその内容はとにかく感慨深く、涙が止まらず、ただただ考えさせられるものでした。

福山さん演じる野々宮良太はエリートで、子どもにも英才教育をしているようなお父さんでした。
子ども慶太はお父さんの期待に応えるため一生懸命です。父さんが納得するような結果を出すのが大変そうでした。
実は血のつながりのない他人の子だったと知り、良太は慶太のことを自分の子どもにしては出来が良くないとその事実に納得している場面がありました。それまではそれほど深く子どもを愛していなかったのでしょうか。
でも、子どもは素直でまっすぐなんですね。良太は慶太が大好きなお父さん（自分）を思う心に気づきます。良太は慶太によって自分が父親だということを教えられたではないでしょうか。

「そして父になる」という題名の意味に納得しました。
子どもにとっては目の前にいる人がお父さんであり、お母さんでしかなくて真実を知らされてもその思いになんの迷いもありません。そんな子どものまっすぐな心に涙が溢れました。
ちょうど同じくらいの子どもを持つ私は、もしもこんな残酷な事実があったとしたら自分はどう思うのだろうか、どうするのだろうかと胸を締め付けられる思いでした。