最愛（ドラマ）の見逃し配信・無料視聴まとめ！Netflixやhuluで見れる？

容疑者と捜査担当の刑事が初恋の相手という設定のユニークさと、15年前に発生した謎めいた殺人事件にまつわる、様々な伏線が随所に散りばめられた起伏あるスリリングなストーリー展開が非常に魅力的な作品でした。事件捜査の進行と同時に綴られる、ヒロインの梨央が事件後に辿った数奇な人生の変遷に起因する、彼女が社長を務める真田ウェルネス内部の複雑怪奇な人間関係とそれゆえの深刻な愛憎劇の丁寧な描写も非常に見応えがあり、謎解きミステリーとしてもヒューマンストーリーとしても秀逸な上質のエンターテインメント作品に仕上がっていたと思います。そうした中、キャスト陣は全員、力の入った好演を見せてくれたましたが、中でも事件への怯えと悲しみを隠しながら新薬の開発に心血を注ぐ梨央に扮した吉高由里子の深みある演技が素晴らしかったです。

「最愛」はサスペンスドラマなのに、登場人物一人一人の愛が感じられるというなかなか珍しいタイプのドラマだと思いました。普通のサスペンスドラマだと事件の真相が明かされることは喜ばしいことなのに、このドラマの場合は事件の真相がこのまま隠されてしまえばいいのにと思うほど切ない展開があり、やはり普通のサスペンスドラマとは差別化を図っているのがよく分かりました。主演をつとめている吉高由里子さんは大人から高校生の役まで見事に演じていて、第一話からどんどん成長していく姿が表情に出ているような感じがしました。そしてこのドラマの挿入歌となっている宇多田ヒカルさんの楽曲もこの世界観にぴったりで、流れるタイミングも計算され尽くしているのが伝わってきて良かったです。

「最愛」では、吉高由里子さん演じる梨央の活躍に注目してドラマを観ることができました。梨央が連続殺人事件の重要参考人となっていて、どのように振る舞うのか気にしながらドラマを観ていました。田舎町で失踪事件が起き、事件の真相について考えていくところにドラマの面白さがあると思いました。加瀬さんは、梨央と優が幸せに暮らしていけるように行動していたと考えられました。梨央が弟である優と再会することができたシーンに感動がありました。梨央と大輝の関係については、１５年ぶりの再会になっていてお互いに恋人のような関係に感じられました。２人が一緒に暮らしていけることに期待したいです。サスペンスラブストーリーに関心がある方には、おすすめできるドラマだと考えられました。

梨央の女子高生から会社社長、大輝の大学生から刑事への変貌が鮮やかでした。方言を話す2人が東京で過ごすことで洗練されていきました。2人が再会し方言で話す姿がほっこりしていてストーリーは緊迫しているのに癒されました。事件が進んで行き怪しい人物が次々浮かび上がりドキドキしながら犯人を予想していました。梨央と優を無償の愛で包んでいた加瀬だけは犯人であって欲しくないと考えていました。加瀬の2人を守るために普段見せない鋭い顔や言動がとても怖くそして格好良かったです。加瀬を追う大輝に向かい「梨央と優を任せた」と言う加瀬の覚悟と愛を感じました。梨央の長年の夢である薬だけは完成させ優を助けるという思いが叶ったのはとても良かったです。

タイトルを頭に置いて視聴するドラマは他にないと思うほど、製作側が「最愛」にこだわって物語を紡いでいるのが伝わってきます。物語は、3つの大きな事件を軸に進んでいきますが、それに関わるだろう全ての登場人物が怪しく最後まで犯人は分かりません。最終回で弁護士の加瀬が犯人と分かりますが、結果的に事件の真相を知るのは、加瀬本人と視聴者、加瀬と会話をして確信をもった大輝、そして全てを悟りかばっていた梓の4者のみという見せ方に驚きます。法治国家の日本に置いて、法律では守れないものがあると放った弁護士加瀬の言葉には考えさせるものがあります。誰にでも最愛な人がいるからこそドラマをみる視聴者はあらゆる場面で共感を重ねていき、最後の犯人が分かった時にはつらい苦しい涙が流れます。毎回伏せんをばらまいて、最終回で見事な回収をしてくれた製作の方々に「素敵なドラマを生み出してくれてありがとう!」と感謝でいっぱいです。

最愛、今期一面白かったドラマです。主演の吉高さんは余り好きな女優さんではないのですが今回のりお役はキリリとした女社長顔から回想での高校生役、加瀬さんや優、大輝といる時の緩んだ表情に演技力の高さを感じました。また周りの役者さんもよかったです。女っぽさ封印の田中みな実さん、やさぐれ女記者役が過去の事件と繋がる伏線だったのが分かった時は鳥肌が立ちました。そして加瀬さん役の井浦新さん。元々とても好きな役者さんなのですがこの加瀬役はまさにハマり役でした。真面目な弁護士であり必死にりおや優を護ろうとする献身的な行動を見せる加瀬さんがまさか全てにあんなかたで関わる犯人だったとは。最終回は涙無くしては見られませんでした。いろんな形の最愛を見せてくれたドラマでしたが本当にこのタイトルは加瀬さんそのものでした。

胸が苦しくなるほど切ないドラマでした。見始めたときはこんなにも面白い展開になっていくのか予想だにしませんでした。事件の真相に考察を巡らせるのも面白く、毎回わくわくしながら見ることができました。そしてストーリーもさることながら、このドラマで素晴らしかったのが出演陣の演技です。セリフの重みもしっかりと感じられただけでなく、一人一人の俳優さんの表情の演技が素晴らしく、深く心に残りました。特に衝撃だったのが吉高由里子さんです。明るく愉快なイメージの女優さんでしたが、こんなにシリアスな表情も見せるんだと驚きました。そして松下洸平さん、井浦新さんの演技、存在感も素晴らしかったです。特に最終回の松下さんと井浦さんのやりとりは目が離せませんでした。

賛否両論があったのが橘しおり役を演じた田中みな実の存在です。橘しおりはやさぐれていてどこか人生を放棄しているような雰囲気がしてくることから決して田中みな実に似合う役ではなかったです。最愛の登場人物の中では及川光博が演じる後藤と共に異質な存在ではありました。ただ個人的には田中みな実の演技は素晴らしかったなと評価しているんです。先入観が入りすぎていて正当な評価をしきれなくなっているだけで十分認められていい役割を担っていたなと感じています。ストーリーに関しては第一話から壮大さが伝わってきたしクオリティの高さは直ぐに理解できました。最終回の結末を見てもしっかりと辻褄があったものになっているし加瀬の消息が分からないで終わっていくのもこのドラマらしいなと納得しています。

宇多田さんの曲が流れている時のシーンが一番です。曲が流れ、スローになる所が最愛の人への思いの時に流れるんだと、見ているこちらの頭に毎回刻み込まれていきました。特に梨央と優が父親のパソコンから達夫の遺言を見た時の、大輝驚いた表情、優が連行される時、梨央が追っていき大輝が止めたときのシーン本当に忘れられません。このドラマの登場人物には初回で殺された康介以外は最愛の人の為にした行動で、誰が殺したのか考えるのも辛いくらいでした。梨央と大輝、優三人が仲良くするシーンの奥には、加瀬の幸せになってほしいという思いが詰まっている事が最後にわかりました。薬の承認の為に世界の人々をも守る為に仕方なくしてしまった行動が切な過ぎました。大輝が加瀬が犯人だとわかった時の辛そうな表情、加瀬が梨央たちと買い物に行っていたときの表情が嬉しそうでもあり悲しそうでした。梨央が大輝の為に会わないように告げる所も切なかったです。

タイトルの「最愛」と言う意味は何なんだろと、ずっと考えさせられるドラマでした。過去の事件と現在の事件が少しずつ繋がっていくのに、どんどん謎が深まっていく展開に、想像していた以上に引き込まれてしまいました。吉高由里子さん演じる梨央と松下洸平さん演じる大輝の距離感が絶妙に切なくてよかったです。家族としての最愛、恋人としての最愛を深く感じるドラマでした。でも1番強く感じたのは他人としての最愛でした。自分の人生を犠牲にしてまでも守ることが、こんなに切ないものなのかと思い知らされました。ずっと加瀬の存在が気になっていましたが、最後の最後まで加瀬は加瀬のままだったのがよかったです。お墓参りに行った梨央と大輝が自然に手を繋ぐシーンに胸がキュンとしました。