アウトレイジ 最終章（映画）無料フル動画配信情報！Netflixやhuluで見れる？

終わった。終わってしまった。2が（ビヨンド）製作されると聞いた時は、勝手に反対していたのを、打ち消した怒涛の展開から、この最終章です。観ているこっちは、「大友（ビートたけし）もう関係ないのに、解放してあげてよ」…。という思いがこみ上げてきます。
そんな重いとは裏腹に、この世界に入った人間は、いくら質素に生活しようとも、国外へ行こうとも、抜けるのが難しいと痛感させられます。1作目に、あっさりさっくり居なくなるだろうと勝手に想像していた人間が、しぶとく生き残っているのが、生々しいです。

関東から始まったアウトレイジは、海外、関西、少々、関東、と拡大して、ストーリー展開的に、絡んだ細いネックレスを元通りにする、ややこしさがあります。ややこしいから面白いのです。フィクサーという名前は聞いたことあるけど、どういう存在か知らなかった人物の裏社会的の地位の高さが分かるシーンや、発端となった花菱組、その面倒くさい内部抗争に、関係なかった大友がヤクザ世界に引き戻されてしまいストーリーが転がっていくのを観ると、「もう北野武は、当分ヤクザ映画を撮らないだろうな…」、と思うほど、シリーズ通して、ヤクザ成分が、濃縮還元しています。

最初のシーンから漂ってくる雰囲気には、他の北野作品に似ていてファンとしては堪らないです。海中を発砲するシーンも同じく。ただ、ファンとしては、シリーズ化になるならば、1作目の椎名桔平をあんな事にしうのは、非常に勿体なかったです。銃口を向けられたラスト、嗚呼…アウトレイジが終わった、とセンチメンタルな気分になります。

日本を離れ韓国で悠々と過ごす大友（北野武）は、当地の大物である張会長の元で歓楽街の元締めを任されています。連れ立って韓国に来た市川（大森南朋）と共に釣りをするなど日本にいた頃が嘘だったかのような穏やかな日々を送っている大友ですが、ある時、現地の風俗を利用した日本人客が起こした揉め事がきっかけで日本に残した因縁が蘇ってしまい…、というのが物語の始まりです。

前作、前々作から引き続き暴力の連鎖はとどまらず、手段達成の為の暴力ではなく目的としての暴力がクローズアップされ、単純な欲望や損得勘定とはかけ離れた感情に基づく殺しの連鎖はもはや尋常の感覚では理解不能です。逃走のための殺し、復讐としての殺し、怒りとしての殺し、利用のための殺し、義理としての殺しなど、そうする必要はないのではないかという場面においても殺すという選択肢がとられる様は、どこか座頭市を思い起こさせるものがあります。

この映画で強調されているのは、膿を出す＝不要物の排除という行為への純粋さで、常に一つの手段しか選ばず、しかも目的そのものが手段と同一という情緒を欠くほどの容赦の無さは北野作品の哲学が前面に押し出されていると言ってもいいでしょう。ラストシーンを見れば、目的に対してどこまでも妥協の無い一人の男の姿に同情すら覚えるかもしれません。