乙女ゲームの破滅フラグしかない悪役令嬢に転生してしまった…（はめふら） 見逃し無料動画配信情報！Netflixやhuluで見れる？

このアニメの見所は乙女ゲームの話が「悪役令嬢に転生した主人公」という少し変わった視点で進んでいくことでした。主人公のカタリナ・クラエスが攻略対象の男性キャラクターや、ライバルポジションの女性キャラクターのみならず、乙女ゲームの主人公マリア・キャンベルとも仲良くなるのは、悪役令嬢に転生した主人公ならではの視点でした。また、カタリナが破滅フラグをどう回避していくかを考えるカタリナ脳内作戦会議は、様々なカタリナがわいわいと出てきて、何が起こるかわからないわくわく感が楽しめました。

21世紀の日本の中学生が親友・佐々木敦子に勧められた乙女ゲーム[FORTUNE・LOVER]の主人公カタリナ・クラエスに転生してしまう設定の異世界ファンタジー作品であり、異世界転生作品らしく魔法や貴族社会など興味をそそるストーリー設定にはまってしまいます。カタリナ・クラエスは、乙女ゲーム[FORTUNE・LOVER]の主人公マリア・キャンベルをいじめるゲーム随一の悪役であり、キース・クラエスやジオルド・スティアートなどのよって国外追放か処刑の破滅エンドを迎える人物です。しかし、前世で[野猿]と呼ばれていた彼女の現身・カタリナは、8歳時の転倒を機に自分が乙女ゲーム[FORTUNE・LOVER]に転生したことに気づき破滅プラグを回避する為に努力しますが、努力の仕方が田畑を耕して土の魔力の向上やキースを可愛がるなど的外れなことばかりなので笑えます。カタリナは、破滅フラグを回避するために複数の人格が出席している脳内会議を開くものの、まともな結論に至ることがなく何のための脳内会議だか疑問です。その結果、乙女ゲーム[FORTUNE・LOVER]のストーリー設定で時系列が進む一方で彼女を取り巻くキャラクターは本来とは真逆の設定となっており、破滅フラグはどこかに消えてしまうハッピーエンドストーリーが気持ち良い作品です。また、カタリナは、人の行為や感情に対して鈍感なだけでなく勘違いばかりしているので彼女の周りのイケメンは全て誑し込まれてしまう展開も面白いのですが、「何人誑し込めばいいんだ」とぼやきながらも姉を心配するキースと2人になりたいジオルドの攻防も面白い作品です。

最近転生系のアニメも多く、乙女ゲームの主人公に転生してしまうパターンはよく見るのですが、まさかの悪役側という内容が気になり、見始めました。実際に見てみると、乙女ゲームの内容を知っているのに、悪役側に転生した主人公が思った以上にポジティブに生活しているのが面白く、次は何をやらかしてくれるのか、気になり気づいたら禅話みてしまっていました。また、乙女ゲームをやっていたのに、いざ自分が主人公的な立場になってしまうと、悪役側だから自分は攻略対象者に好きになられることはないと信じきっている姿も可愛く、女性でも主人公を可愛く見れるアニメだったと思います。悪役側の主人公からしたら、正規の主人公のマリアは敵になるはずですが、嫌味も何も感じさせない、マリアの声優の早見さんも最高です！悪役側も正規の主人公も、そして攻略対象たちも全員が幸せなザ・ハッピーエンドで、見ていてすごく気持ちがよかったです。

一言でいうなら、この作品は"乙女"というよりは"ギャグ"でした。毎回起こる騒ぎの中心・主人公カタリナの鈍感がとても神がかっていて、主人公が恋愛を楽しむ「少女漫画」ではなく、思わず笑ってしまう「ギャグマンガ」を読んでいる気分になりました。しかし、そこがまた飽きずに最後まで見れるこの作品の魅力だと思います。その純粋さに惹かれてしまう攻略対象者達の方がむしろ恋する乙女になっていて、この絶妙な残念感が私は好きでした。カタリナが何故か斜めに突っ走る暴走と、周りがカタリナを取り合うギャグマンガみたいな日常を全話見てみて欲しいです。

交通事故で死亡してしまった主人公が待っていたのは、ハマっていた乙女ゲームの世界でした。ゲームの主人公マリアの恋路を邪魔して悪役令嬢として傍若無人に振る舞うカタリナは破滅を迎える運命にあります。そんな運命を変えるために奔走します。天真爛漫で突飛な性格、貴族に似合わない畑仕事に優しさを兼ね備えたカタリナは、ただ生き延びるに留まらず、攻略対象キャラをたらし込んでいきます。カタリナがそのことに無自覚なことも拍車をかけており、発表された二期も楽しみです。‬

登場人物達の生い立ちや過去などを丁寧に描きつつ、全話を通して『カタリナファン』がだんだんと増えるお話で、視聴する側としてはある種の王道展開に安心しているところが多々ありました。主人公が前世で飾らない性格だったのもあって、乙女ゲームでは悪役令嬢という役どころであっても独立したパラレルワールドで、毎回毎回良い意味でどんなとんでもストーリーなのか想像しながら楽しませて頂きました。結局カタリナは誰に想いを寄せるのか、分からないまま終わるのもこの作品には合っているなと感じました。