『空飛ぶ広報室』がTBSでドラマとして映像化(2013年)
自衛隊の広報室というなかなか知ることのない世界。でもこの広報室があることによって私たちは自衛隊の活動を知ることができるわけで。そしてそれを報じるテレビ局。その二つの世界を描いたドラマ。なかなかありえない設定で毎回どのような展開になるのか読めなかった作品。事故でパイロットを辞めざる終えなかった空井、勝気な性格のテレビ局リカの二人を綾野剛、新垣結衣が演じていて二人のコンビ感が良かった。綾野剛はいつもよりも穏やかだが葛藤や苦しみを抱えた青年を演じている。夢半ばで挫折し、そこから立ち直る、向き合う姿がとても辛辣だった。二人以外にもムロツヨシのひょうきんなキャラや二人を見守る柴田恭平さんの優しい眼差し、人間描写がうまくて心温まる作品です。
自衛隊の広報の人と、テレビ局の人との関係を紡いでいくお話です。
自衛隊は、訓練を毎日行って、災害があった時に助けてくれる人だと思っていました。
なので、自衛隊に広報をする方たちがいて、ブルーインパルスの飛行を一般の方たちに御披露目をして、幸福な気持ちになれたらと考えてくれていることを初めて知り、自衛隊を身近に感じさせてくれた作品でした。この作品を知らなかったら、今も自衛隊を見ても何も感じずに過ごしていたと思います。
稲葉リカと空井大祐の恋もオススメのひとつです。
毎回、少しずつ近づく二人に、もどかしくもキュンキュンさせられました。
ラストに結ばれますが、リカのことを話す大祐の表情がかわいくて、何度も見たくなってしまいます。
『俺物語!!』が映画として映像化(2015年)
同性から好かれる男の中の男という主人公・剛田猛男を演じた鈴木亮平さんが役作りのために30キロ増量したということに驚きと凄さを感じた作品でした。その増量のおかげで猛男の高校生とは思えないごつい見た目と繊細な中身とのギャップがうまく表現されており、見ごたえのある作品となっていました。
男に言い寄られて困っていた女子高生・凛子を助け、その際に一目ぼれしたことから始まるストーリーであり、恋愛に対して初々しい姿が可愛らしく感じました。しかしこれまで好意を寄せても見向きされてこなかった経験から凛子と接点が出来ても諦めている猛男の姿に切なさを感じました。一方で凛子も猛男に惹かれ、振り向いてもらおうと必死にアピールするも伝わらず落ち込む姿は胸が痛みました。凛子の思いを知り、猛男が凛子に告白するシーンは感動的で涙が止まりませんでした。幸せいっぱいの二人に胸が温かくなる作品でした。純粋な気持ちに心洗われる作品です。
『逃げるは恥だが役に立つ』がTBSでドラマとして映像化(2016年)
社会現象にもなった大人気作品。原作もあるのだがそれを活かしつつもその当時の社会事情も絡めてうまく作られている。漫画は結婚後の話もあるのだがあえて今のところ作ろうとはしていないのも良い。今後あろうとしてもどう描くのかも気になる。社会の中の女性たちのモヤモヤをみくりや女性キャラに映し出して台詞や行動させて訴えている感じも見られるが新垣結衣ちゃんのキャラで少し中和されていると思う。星野源さん演じる平匡もはまり役であった。恋ダンスも相まってドラマも毎回盛り上がる。このあと二人はどうなるの?とハラハラしっぱなし。再放送でも展開が分かっているのに気になってしまう。野木さんにとってはこれが出世作だと思う。少し人気さが空飛ぶ広報室より飛び抜けてしまっているが、設定的には空飛ぶ広報室の方が好き。
毎回、いろんな番組とコラボレーションしている演出にワクワクしながら見ていました。
次はどんなので来るのだろうと思いながら、楽しみに放送を待っていました。
平匡さんとみくりのぎこちない恋模様が初々しく、見てるこっちが恥ずかしくなるほどでした。
ですが、どこか懐かしく、見てる視聴者が上から目線で、二人の恋を応援してしまうところに、ハマるポイントが隠されているように思いました。
野木亜紀子さんの作品は、演出がとにかく面白く、ハマってしまうところが魅力だと思っています。
また、この作品は、主婦の仕事の単価についてを題材にしていましたが、題材の選ぶ方も魅力です。
ここに焦点を当てるのかと思って見ていても、奥が深く、考えさせられることばかりでした。
結婚を契約と捉え、夫婦の在り方を雇用主と従業員という捉え方に面白みを感じた作品でした。家事代行サービスで出会った平匡に契約結婚を持ち掛けたみくりに突拍子のなさを感じましたが、結末に続く道筋にお互いが出会ったときから惹かれ合っていたのだと感じられました。一緒に暮らす中で徐々にお互いに惹かれ始める姿は見どころでしたが、年齢=恋愛経験なしの平匡が自信のなさからみくりに近づけないもどかしさやそんな平匡に傷つくみくりなど、お互いの気持ちのすれ違いにヤキモキしました。しかし、恋愛経験がないために起こす平匡のみくりに対する行動は胸キュンであり、ときに大胆な行動を起こすミラクルに目が離せませんでした。本当の夫婦になるまでの遠回りとも思えた契約結婚は二人には必要な期間であり、ハッピーエンドな結末に続く二人の幸せを描けた作品でした。何度見ても恋愛したいと思わせてくれる作品です。
『アンナチュラル』がTBSでドラマとして映像化(2018年)
出演者たちの掛け合いがとにかく面白く、毎回笑わせてもらいました。
死体の死因を追及するために、奮闘する法医学医の姿が、現実でも起こって欲しいものだと強く思いました。
事故なのか自殺なのか、他殺なのか、日本はまだまだ解剖する件数が少なく、もっと多くの法医学医が生まれて欲しいと思いました。
そういう強いメッセージを多くの人に知ってもらいたいから、見てもらいたいです。
ただ、汚い、気持ち悪い仕事ではないことを、もっと必要な仕事なのだということを理解して欲しいです。
法医学医の素晴らしさだけでなく、一人一人のキャラクターも見所です。
とても濃く、一筋縄ではいかない人たちですが、そこが、このドラマの魅力を高めてくれています。
法医解剖医という仕事を初めて知った作品でした。毎回運ばれてくる様々なご遺体から死因を究明していく姿に仕事内容の凄味を感じられます。そこからご遺体が最後語ることが出来なかった言葉や行動を知るきっかけとなり、悲しみを背負って生きていかなければならない遺族にとってそれが今後生きる糧となっているように思えました。きれいごとばかりではないストーリー展開のリアルさに毎回胸が痛みましたが、そこから「生きる」ということがどれだけ重要なことであるかを改めて気づかされました。一番リアルに感じたシーンが、恋人を殺した犯人を死に追いやろうとする姿を見たときでした。死に至らしめても恋人は返ってこないということは分かっていても、それ以上に勝った憎しみによる行動と感じ、「死」に対して一番リアルに感じました。「死」が人に与える衝撃の強さ、「死」によって「生きる」ことの難しさを知る深い作品でした。
『MIU404』がTBSでドラマとして映像化(2020年)
アンナチュラルと同様、完全オリジナル作品であり、原作がないため毎回どうなってしまうのか、細かいところで伏線が張り詰めており、それをのちにこうだったのか!というのが多いので一回見ただけでは整理ができない。ハラハラ感は他の原作のあるドラマよりもあるのだが先が見えなさすぎるところがちゃんと最後まで全部回収して終えられるのか、この続きは映画で!とかの展開だと萎えてしまいそう。毎回ゲストが豪華だが多すぎる回もあって疲れてしまうこともあるが、それぞれをしっかりうまく使えている。あとは主要キャストを大事に描き、使ってくれたらベストな作品になるだろう。1話完結というのも途中からの視聴でも見られる工夫もされている。
その他野木亜紀子さん脚本作品
- さよならロビンソンクルーソー(2010年)
- 幸せになろうよ(2011年)
- ラッキーセブン(2012年)
- 主に泣いてます(2012年)
- 図書館戦争 BOOK OF MEMORIES(2015年)
- 掟上今日子の備忘録(2015年)
- 重版出来!(2016年)
- 獣になれない私たち(2018年)
- コタキ兄弟と四苦八苦(2020年)
- 図書館戦争(2013年)
- 図書館戦争-THE LAST MISSION-(2015年)
- アイアムアヒーロー(2016年)
- 罪の声(2020年)