人魚の眠る家(映画)無料フル動画配信情報！Netflixやhuluで見れる？

冒頭、吸い込まれるようにとある邸宅に辿り着く少年。
物語は小学生の女の子が意識不明の昏睡状態に陥り、その母親が機械を使い娘を無理に動かし、まるで本人の意思で動いているかのように捉え、母親のみが満足するという愛の間に苦しめられる作品です。
ある日突然、自分の子供が生きてはいるのに、全く動けない、話せない、目を覚ますこともなくなったとき、あなたならどうしますか？
決して楽な気持ちで見られる作品ではありませんが、自分がこの立場だったらどうするのか？どう思うのか？一概にこの母親の怪奇な行動を批判することはできないのではないかと、あらゆる側面から考えさせられる作品です。
他にも植物状態になる作品。脳死判定を受けて臓器移植をするか否かを親が悩む作品などありますが、この子はこれで良かったんだと思えるストーリー展開でした。
この子の命が、他の誰かの役に立ち、その人の中で生き続けられること。
それがどこの誰かわからなくていい、わからない方がいい。ただ、この世のどこかでその存在を感じられることが、残された家族の生きる希望、糧になっていくのだとこの作品を通じて改めて感じることができます。
命に関して考えたくなったときに、出会えると良い作品ではないかと思います。

医学の進歩に大きな望みを期待してしまう。もしかしたら、明日には良い方法が見つかるかもしれない。後悔しない為に、それまではこの子を守らなくてはと考えてしまうだろう。気管を切開して人工呼吸器を装着しなくても、埋め込む手術で呼吸を確保できる機器があることも、前までは考えられない進歩なのだ。まして、夫は脳と機械を信号で繋ぎ、人間生活の大いなる改善を目指している医療機器の社長だ。我が子の為に、真っ先に最新の技術を提供してくれるだろう。そんな時に、社内の若い技術者が電気で刺激することによって、体を動かす装置を発明したことを知る。そのことが、やはり待っていて良かったという思いを益々、強くしてしまうに違いない。ずっと看病している母にとって、最初はそのままでも傍にいてくれるだけでも嬉しいと素直に思っていたことだろう。その母が少しでも動く我が子の姿を目にした時の感動は、計り知れないものだろう。最期に「おかあさん、ありがとう。」という言葉が聞けたことが、何よりの救いだ。周囲が何を言っても母親が納得できなければ、どうしようもないのだ。理屈では片付けられない母の思い。深いテーマで定評のある東野圭吾さんの作品が、ヒューマンドラマを手掛ける堤監督さんによって見事に描写されている。

初めてこの映画を見たときCMで篠原涼子さんが号泣していてこの映画のタイトルは一体何と思っていたけれど、映画を見てこの映画の意味とストーリーが見えてきました。人形のような娘を生かすも殺すも親次第。生かすには気持ち悪いと思ってしまうけれど実際に親の気持ちになればどんな形でも生きていてほしい、死んだことを認められない、少しでも希望があるならそこで埋葬するわけにはいかない。そんな思いで篠原涼子さん演じる母親は娘と生きたんだと思います。深いですね。単なる愛憎劇ではなく深い親の愛情と気持ちが交差する不思議な物語でもあります。このドラマは東野圭吾さん作品で、よくぞまたこのような素晴らしい物語を描いてくれたと感心するばかりです。東野圭吾さんはこのような見入ってしまうようなストーリーを書くのが本当に上手な方だと思います。悲劇がが起こったことはもう取り返しようがないけれどその先の運命を選べるとしたら自分だったらどうするだろうと考えこんでしまいます。殺すも生かすも選択を間違えれば殺人のような。私が親であったなら死を認めてしまう気がします。娘がうんともすんとも言わないのにそこに力を注ぐというのは辛いからです。