『白鳥麗子でございます!』がフジテレビでドラマとして映像化(1993年)
松雪泰子さんが、プライドが高くて思いこみの激しいお嬢様の白鳥麗子を、熱演していて素晴らしかったです。まさにはまり役だと思いました。腰に手を当てて、「オー、ホッホッホッホッ』の高笑いは最高でした。衣装も全部素敵で松雪泰子さんが着用していることで、もっと素敵に見えました。高飛車過ぎる発言とポジティブなところが、思わず応援したくなりました。一途に秋本哲也を想い続けるのですが、プライドガルシア邪魔して、なかなか素直になれないところが可愛かったです。田中律子さんが、麗子のライバルでいつも麗子ばかりがもてはやされるこに嫉妬するかきつばたあやめを熱演していても、とても良かったです。敵対心を出しているけれど、どこか憎めないキャラを上手く演じていたと思いました。
『やまとなでしこ』がフジテレビでドラマとして映像化(2000年)
松嶋菜々子が客室乗務員の神野桜子を演じたラブストーリーです。貧しい家に生まれたことから、美貌をもちながらもお金への執着がすごく強い女性というキャラクターが面白かったです。そして対照的に、人の良さが全面に出ている堤真一演じる中原欧介。このふたりの明暗が非常にバランスがよくいい組み合わせでした。
少しコミカルな東十条を演じた東幹久は、大病院の御曹司という役を見事に演じ、このドラマのいいアクセントになっていました。3枚目のコミカルなキャラクターが光っていました。
ドラマの展開としては非常にドラマティックで、主題歌でもあるMISIAの「Everything」はこのドラマで何度も耳にした大好きな曲です。ドラマの雰囲気にもぴったりと合っていました。
松嶋菜々子さんが、幼い頃に貧乏を味わったので、絶対に一番お金持ちの男性と結婚するために、自分の容姿とあらゆる手段を使って男性を落としていくところが、突き抜けていて素晴らしかったです。きれいで可愛くて見とれてしまいました。お金は全て自分を着飾るための物に使って、食べ物と住むところは最低限に切り詰めて自分の目的のために徹底的に頑張る姿は、ギリギリ女性から嫌われる寸前のところを上手く演じているのが、すごいです。合コンの女王といわゆるほど、たくさん合コンをして、ついに馬主の欧介に出会ったと思って付き合うのですが、実はお金持ちではなく魚屋だと知ってショックを受けますが、少しずつ人柄にひかれていって、微妙な関係のまま東十条との結婚式を挙げます。しかし、欧介の一大事に自分でもよくわからないままウェディングドレスで病院に駆けつけるシーンは、何年たっても色あせることのない名シーンです。最終的に、欧介の留学先に行って本当に大切なものに気付いて幸せをつかめて良かったです。堤真一さんが、無骨で誠実な欧介を熱演していて、さすがの実力派俳優だと思いました。
『スタアの恋』がフジテレビでドラマとして映像化(2001年)
藤原紀香が大スターの役を演じているのですが、そのキャラクターが天真爛漫で浮き世離れしているのを見事に演じていました。対照的にしがないサラリーマン役に草彅剛がこれまたはまり役で、情けない顔つきが板についていました。
切ないラブストーリーとはいえませんが、ほんわかしていてキュートなヒカル子は、同性の私でも魅力的に感じました。でも、実際に周囲にいたら振り回されそうだな…とも思いますが(笑)。
草介は地味なサラリーマンですが、きっとヒカル子の周りにはいないタイプだと思います。そんな草介にヒカル子がひかれたのもわかる気がします。
スターと一般人の恋という、現実にも起こりそうでなかなかない設定は、私たち一般人にもしかしたら私にも…と夢を与えてくれました。
『ドクターX 外科医 大門未知子』がテレビ朝日でドラマとして映像化(2012年~2019年)第1シーズン~第6シーズン
はじめ、外科医にフリーランスなんて、いるのか疑っていましたが、いまでは都会では薬剤師さんも派遣社員の世の中です。
充分あり得る設定に、まず興味をそそられました。
束縛を嫌う一匹狼ですが、世界を回って身につけた圧倒的な手術のスキルで、男性社会の中でも1人で生きていけることを発信しています。決め台詞の「私、失敗しないので」も痛快です。
マネージャーやフリーランスの同僚とのやりとりでみせる優しさも魅力的です。
特にスーパードクターが、失敗しそうな所をカバーする「どいて!」と手術室に現れるシーンは毎回楽しみでした。ぜひ、ご覧になっていただきたい快作です。
とにかく米倉涼子が格好いい!「医師免許がなくてもできる仕事はいたしません」や、「私、失敗しないので」という決め台詞は大門未知子が口にする度に「出ました~!」とつい叫びたくなるほどです。医師とは思えないほどのミニスカートやファッションがお似合いで、権力に媚びることがなく見ていて惚れ惚れします。
周囲を取り巻く病院内の権力争いなどに対しては、どこ吹く風…といった態度なのもアッパレです!
また、大門未知子の師匠でもありマネージャーのような存在の「あきらさん」を岸部一徳が演じていますが、毎回病院の院長に「メロンです。請求書です。」と巨額の請求書を手渡すのもお決まりのパターンで、このふたりのコンビは最強です!見ていてスカッとするドラマです。
『ハケンの品格』が日本テレビでドラマとして映像化(2007年・2020年)
無愛想でだが仕事ができる派遣社員の春子が、定時で帰宅定時で昼休み、残業は一切しない姿勢を貫き続けます。
就職全滅して、仕方なく派遣会社に登録した女性の目を通して、働くとは何かを問い、次第に、様々なスキルを生かして、派遣先の危機を救うのが、魅力的です。
バブル崩壊後の新しい働き方を提案、資格取得の大事さ、男性に頼らなくても生きていける、強い春子の姿が、凛々しくて、憧れます。「国」の経済の危機などは普段の生活ではほとんど想像しません。春子のように、勤務先の倒産と失業を経験し、「国」と「男性中心の社会」の在り方に一石を投じた、画期的な作品だと思います。
大泉洋演じる正社員との漫才のような絡みも物語を盛り上げる要素で楽しく家族で見られる良質なドラマだと思います。
有名大学から有名企業に終身雇用だけが理想ではなく派遣社員やフリーランスなど、働く選択肢、人生の選択肢は一つではない、1人でも不幸ではないというメッセージも、盛り込まれていて、悩んでいる方にオススメします。
篠原涼子さんが、スーパー派遣の大前春子をさすがの演技力で熱演していて、とても良かったです。毎回毎回面白くて、最初から引き込まれてしまいました。ピンチの時に、信じられないような資格を持っていることが発覚して、みんなが唖然とする中見事に解決する姿は、ほんとにカッコ良かったです。人にこびることなく、残業はしないし時給分はきっちり働いて、馴れ合わないのが爽快感があります。あれだけ仕事ができるのに、なぜ派遣という道を選んだのか、本当の理由はわかりませんが、彼女が多くのつらいことを乗り越えてたくさん苦労して、今の姿があるのだというのが伝わってきます。一見、冷酷で自分のことしか考えていないような態度をとっていますが、実はきちんとまわりを見ていてさりげなく優しさを発揮するところが素敵です。
『花子とアン』がNHK連続テレビ小説でドラマとして映像化(2014年)
田舎の貧しい少女が名門女学校に特待生で入学後、学問が女性でも生きていけること、翻訳家という夢を叶えるところが、男性に頼らない、強い女性を描いた所が共通の魅力です。
貧しくても諦めないことの大切さ、スキルをあげても奢らず慎ましいヒロインの生き方です。道ならぬ恋でも、諦めない、戦争でも、自分の生き方にブレがない所が素敵だと思いました。
対照的に名家に生まれた美貌の歌人が、嫁ぎ先から男性と駆け落ちするエピソードがあります。彼女は裕福でしたが愛情に飢えていました。
家を捨てることで自由と本当の愛を手に入れます。
対照的な2人が親友になるのも、境遇は繋がる人を選ばない、そんなメッセージを感じさせて、オススメの作品です。
その他中園ミホさん脚本作品
- 君のためにできること(1992年)
- For You(1995年)
- Age,35 恋しくて(1996年)
- Dear ウーマン(1996年)
- 不機嫌な果実(1997年)
- ラブとエロス(1998年)
- 恋の奇跡(1999年)
- 恋愛中毒(2000年)
- 20歳の結婚(2000年)
- ぼくが地球を救う(2002年)
- 南くんの恋人(2004年)
- anego[アネゴ](2005年)
- Dr.倫太郎(2015年)
- 西郷どん(2018年)
- 七人の秘書(2020年)
- 東京タワー Tokyo Tower(2005年)
- ゴースト もういちど抱きしめたい(2010年)