牝猫たち（映画）無料フル動画配信情報！Netflixやhuluで見れる？

この作品は、東京池袋で働くとあるデリヘル嬢3人の生きていく様を、リアルに描いたヒューマンストーリーです。3人揃って過ごしている時間はとても楽しそうに見えるのですが、いざ1人きりになると心の闇に支配されそうになってしまう彼女達。住む部屋もなく、ネットカフェ難民生活を続いている主人公の雅子（井端珠里）、その同僚の子持ちのシングルマザーで、退屈な日々を持て余して生きている結依（井上さつき）、もう1人の同僚里枝（美和枝）は、家庭はあるが不妊症であるが故夫に浮気をされている主婦。そんな3者3様の彼女達が明日へ向かって生きて行く姿、そして各々のその行方が、この作品の最大の見どころとなってます。
なぜか応援したくなってしまう彼女達ですが、そんな彼女達に幸せへのキッカケは、訪れるのでしょうか？懸命に生きて行こうとしている彼女達は、果たして報われるのでしょうか？是非ともその結末を、最後までご覧になって頂きたい作品です。恐らく、数々の心に残るシーンに出会えると思います。
それほど名前の通っていない女優陣の、体当たりの演技も注目の1つです。
現代の東京の実情がリアルに見え隠れしているこの作品、そういった観点からも非常に興味深い作品になっていると思います。

風俗を生業に生きていく女性たちの姿を描いた、生々しくも奥深いテーマ性のある一作です。風俗といえば、近くて遠い、利用したことはあったとしても、その世界に生きる女性が、同じ人間であること、同じく感情を持ち、物を考え、今日という日を生きているのだということは、どこか現実味のない物語のように感じている自分がいることに気が付きました。実際の風俗嬢がいかなる心持ちで仕事をしているのかはさておき、それぞれがそれぞれに問題を抱え、仕事と人生を時にごちゃまぜにしながら、不安定な道を進んでいく様は、非常にリアルで、受け入れ易いものでした。何を伝えたかったのか、その輪郭すらややおぼろげにぼやけているような印象すら見えますが、それがまた実際に生き方に迷う人間たちの正しい姿なのかもしれません。登場人物たちは皆、娼婦にニートに独居老人と、なかなかに際どい設定を背負っています。しかし、ともすれば重く、ドロドロとした展開にはまりがちな設定のなか、どこか飄々と第三者的に夜の世界を描き切ったことは、「完全には彼女たちの気持ちはわからない」ということまで含めて、正しく夜の世界に生きる女たちを理解しているからこそではないでしょうか。万人受けする作品とは言えないかもしれませんが、一見の価値ありだと思います。

凶悪や日本で一番悪い奴ら、で有名な白石和彌監督がロマンポルノをとった、ということで気にならないはずがないです。ロマンポルノをリブートする企画の１つなのですが、やはり他の監督と比べて頭一つ抜けて非常に素晴らしい人間ドラマになってます。骨太な邦画を観たい僕にとっては、白石和彌監督と日活は非常に良いコンビネーションです。濡れ場は多いですが、全く不自然なものはなく、必要があり、全てに意味のあるシーンとなっているので、ただのエッチな映画ではなく、しっかりとした脚本と演出になってます。基本的に夜のシーンが多く、暗い中で厳しくも生きる女性たちが出てきます。闇が深く、夜が明けない街並みは、閉塞感が漂っており希望がなくなっている日本社会そのものを映しており、その中で抜け出せない若者を映し出してます。非常に示唆的なシーンが多いんですが、最後には朝のシーンがあり、ハッピーエンドで安易に描くということはないのですが、どこか希望がかすかにみえる終わり方は、素晴らしいです。このようにどこか社会的なテーマをしっかりと演出できる監督にもっともっと活躍してもらいたいですし、大手配給会社は興行だけでない文化を大切にして欲しいですね。