スタジオジブリ作品の中でも特に独特の世界観を創り上げている「思い出のマーニー」を観て、アンナに共感して感極まってしまった方も多いのではないでしょうか。
何故ならアンナは”私は私が嫌い”という感情を持ってしまっている、今までのジブリメインキャラクターの中でも、一番私たちに近い存在だからです。
そんな常に孤独を感じて生きているアンナがマーニーという人物に出会います。
この作品を見終えた後とても不思議な気分に浸っている中、私たちはある疑問が浮かびます。
「マーニーはアンナが見る幻覚だったのか?」
あまり黒か白で簡単には分けたくないテーマなのですが、今回はマーニーの存在について触れていき、この作品の更なる魅力をお伝えしていきます。
「思い出のマーニー」を解説!マーニーはアンナにとって想像の中の友達だった
アンナにとってマーニーは想像の中の友達だったのです。
アンナは彩香という少女にも「マーニーは想像の友達だった」と伝えているように、アンナの複雑な心から救ってくれる空想の友達がマーニーだったのです。
”イマジナリーフレンド”といった言葉はご存じでしょうか?
実際にも心理学で実証されており、複雑な悩みを抱えている子供に多く発症する現象なのだそうです。
アンナもその子供に当てはまり自分の中での”イマジナリーフレンド”を創り上げたのです。
そしてそのイマジナリーフレンドであるマーニーは、アンナが今まで一番欲していた「愛情と共感」を与えていきます。
しかしマーニーはただのアンナの空想の人物ではありません。
祖母が昔アンナに語ってくれた物語が、実はマーニーの物語だったのです。
つまり、マーニーが体験していたことは、祖母が話していた物語としてアンナの記憶のどこかに存在していたということなんですね。
記憶は時が経つにつれ薄くなっていくのですが、アンナが偶然見つけた屋敷に行くことにより徐々に頭の片隅に置き忘れていた記憶の数々がよみがえったのです。
しかし、そもそも内気なアンナが何故屋敷に出向いたのでしょうか。
それはアンナは内なる世界、自分が今生きている世界にこもっていることに嫌気がさしたからこそ、外の世界、謎の屋敷に惹かれたのだと考えます。
そこでマーニーと出会うわけです。
「思い出のマーニー」を解説!マーニーはかけがえのない存在だった
アンナにとってマーニーは大好きな人で、最後の分かれるシーンにも愛の告白ととれるセリフがありました。
今まで感情を自分の中で閉まっていたアンナが、初めて自分の感情をぶつけたのです。
マーニーはアンナに愛を教え、生きる希望を与えました。
アンナにとって確実に出会うべき存在だったということですね。