万引き家族（映画） 無料フル動画配信情報！Netflixやhuluで見れる？

是枝監督の作品でテーマとしているものはいつも考えさせられるものが多い。
今回の万引き家族についても、家族とは何かというテーマにしつつも、それが家族であることが自明ではない共同体が、家族としてもし機能するとしたら、それにはどんなことが必要なのか。実は奥が深い内容であると思う。

抜け出せない貧困生活の中でも穏やかに暮らしているところや、自分を守ることが一番という考え方は一定の理解は出来るものの、結局は自業自得なのではないかと思ってしまう。今の状況を打開しようとする意思や必死さがなかった事が原因なのでは？但し、この様な同じ境遇の人が世間には多いのかなとも思ってしまう。

また、一方では万引き家族というのはあってはならないのだが、この家族がいつまでも続いて欲しいと願う気持ちもある。それは、あの家族が貧しいながらに美しく楽しそうに暮らしていたからだとも思える。
治が凛に仕事を与えたり、信代が職場を犠牲にしてまで凛を守ろうとしたり、凛に食事を分けてあげたり、所々に温かみを感じる内容でした。
そして、この凛役の佐々木みゆきさんは、本当に心の傷を負った少女のように素晴らしい演技でした。
この様に、色々考えさせられる内容が凝縮さえた良い映画でした。

この映画は、カンヌ映画祭で最高賞であるパルムドールを獲得した作品です。ドキュメンタリー番組を制作していた是枝裕和監督が作った作品だけあって、実際にあった不正に年金受給していた家族をモチーフに原案を作っていますし、育児放棄などの問題も絡めた作品になっていて、現代社会の闇をリアルに表現しています。
豊かになった日本にも、この映画で描かれているような家族が多く存在していることを改めて考えさせられたし、逆に貧しくても仲の良い家族の形を見ると、世の中の不平等感に心が痛みました。

主人公の柴田治をリリー・フランキーさんが演じていますが、是枝監督作品には欠かせない存在になっています。飄々とした雰囲気で、自然体で演じる表現力は素晴らしいと思います。そして治の息子の祥太役を演じた城桧吏さんも、子役とは思えない素晴らしい演技で良かったです。当初は万引きすることに罪悪感も感じずにやっていましたが、妹のりんに万引きを手伝わせたとき、駄菓子屋の店主から「妹にはさせるなよ」と言われて、自分のしていることに疑問を感じるという多感な少年を見事に演じていたと思います。
とてもいい目をしている俳優なので、これからの活躍が楽しみです。是枝監督の次回作もぜひ見たいです。

監督は是枝裕和、出演はリリー・フランキー、安藤サクラ、樹木希林、松岡茉優などの映画です。日本アカデミー賞や、2018年のカンヌ映画祭のパルムドールを受賞ました。
父親の治（リリー・フランキー）は低収入のために子供を使って万引きを繰り返していて、そのほかの家族もそれぞれ小さなずるを重ねていますが、実はそれほど悪人たちではなく、親から虐待されている少女を連れてきてそのまま一緒に暮らしたり、年金を受給している高齢者（ 樹木希林）を世話したりと、本当の家族ではないのに、それなりに仲良く暮らしているのが独特の映画です。

世の中には血がつながっていても仲が悪い、いがみ合ってばかりいる、という家族はいくらでもいますが、血のつながらない赤の他人の集まりが家族として生活して、和気あいあいとしているという設定は他の監督では思いつかなかったりたり、映画化しようとはならなかったのではないでしょうか？

日々のニュースでは、児童虐待やDV、相対的貧困などの事が報じられていますが、是枝監督はそれとは違う家族の在り方を提示してみたかったのでしょう。
リリー・フランキーさんはいつもの持ち味を出していましたが、安藤サクラさんはさすがの上手さでした。
やはり最近の世界的な格差問題に関して、温かい目線で描いたことから、本作品も注目されたことが大きいようです。