『池袋ウエストゲートパーク』がTBSでドラマとして映像化(2000年)
2000年の作品で原作は石田衣良先生の小説なのですが、登場人物のキングこと安藤崇の性格が原作とドラマで真逆で窪塚洋介が演じたドラマ版では笑いながら殴ったりとトリッキーなキャラクターになっていますが、その性格がとてもいい味を出しています。
また、主人公である真島誠(長瀬智也)は原作と大まかに変わったところはありませんが、演じる長瀬智也の友達や仲間思いで情に熱いところ、ふとしたボケがキャラに親近感を与えていて適役だと強く感じます。
ストーリーも2000年代を象徴するカラーギャングや少し裏の部分にも触れていて今観ても懐かしさを感じますし、若い世代の方には新鮮に感じると思います。
周りの脇を固める俳優もも今じゃ集まらないであろう豪華キャストでそこにも注目です。
『ぼくの魔法使い』が日本テレビでドラマとして映像化(2003年)
伊藤英明さんと篠原涼子さんのバカップル夫婦っぷりが面白く見どころでした。自転車事故で古田新太さん演じる田町と頭をぶつけて以来、何かを思い出そうとすると篠原さん演じる留美子の顔が町田になってしまうという、あり得ない面白さがあり、外見が町田でも振る舞いは留美子というギャップに受け入れられない伊藤さん演じる道男の戸惑いは笑いが止まりませんでした。毎回訪れる様々な問題が解決しても、解決しきれていない町田に入れ替わってしまう問題も道男と留美子よバカップルぶりに大丈夫かと思ってしまう気楽さが面白さをより強くさせていました。最終的に町田と留美子の入れ替わりは解決しましたが、他にも入れ替わりが見られている状況にどうなったんだろうと疑問が残るドラマでした。その疑問が自分の中で想像が膨らむ面白味があります。最後まで笑えるドラマでした。
『タイガー&ドラゴン』がTBSでドラマとして映像化(2005年)
落語を主とした作品であり、長瀬智也さん演じるヤクザである虎児が笑いによって見える世界が変わっていく様子が見どころでした。
借金の取り立てで訪れた西田敏行さん演じるどん兵衛の高座を聞き、感動し弟子入りしたことで展開するストーリーであり、ヤクザと落語家という正反対さに面白味を感じました。授業料として渡したお金を借金返済としてすぐに取り上げるというお馴染みのやり取りは毎回笑ってしまいます。虎児が披露する落語は、落語を現代に置き換えての創作落語であり、現代に置き換えてくれることで初めて落語の内容を知るきっかけとなり、自分自身も笑いの幅を広げることができました。難しいと遠ざけていたことに勿体なさを感じます。また、虎児のヤクザの親分役が笑福亭鶴瓶さんという本物の落語家を配役しているというところにも面白味を感じる作品で、落語世界の深さを感じた面白いドラマでした。
ヤクザ兼噺家役の長瀬智也くんと落語家の息子だが洋服屋役の岡田准一くんダブル主演の落語家の話。春風亭昇太さんや鶴瓶さんなど本家の落語家もキャストに交えながらも落語の演目に例えた話の展開も落語に馴染みのない人にも興味が持てる内容だと思います。宮藤官九郎さんならではのテンポは爽快であり、長瀬くんと岡田くんの関係性も良い。阿部サダヲさんの役どころもいいスパイスとなり、まだ売れる前の星野源も出ているのも見どころ。是非とも再放送をしてほしい。この作品もあってこそその後の大河ドラマのいだてんにつながるのではと思っている。主題歌のクレイジーケンバンドの曲もとてもインパクトがあり、この曲との相乗効果を増している。
『舞妓Haaaan!!!』が映画で映像化(2007年)
阿部サダヲさんのハイテンションな演技に終始笑いが止まらない作品でした。阿部さん演じる主人公・鬼塚の舞妓に取り憑かれた姿が面白く、「舞妓さんと野球拳がしたい」という夢を叶えるべく奮闘する姿にコミカルさと夢のためならどんなことでもする行動力に恐怖すら感じました。
働く会社から京都へ転勤辞令が出たことからお座敷遊びができると思い込み、付き合っていた彼女とも簡単に別れてしまう姿に舞妓さんへの取り憑かれ方の凄まじさを感じました。しかし、一見さんはお断りとなかなかお座敷に上がれず、仕事で結果を出すことで社長に連れてきて貰おうと凄まじい勢いで結果を出した行動力は驚きしかありませんでした。念願のお座敷に上がり、そこから舞妓愛故に周りを巻き込みながらこじれた人生を送り始める鬼塚に次は何をしでかすのかとワクワクが止まりませんでした。年老いた鬼塚が置屋で働く結末は舞妓愛を貫いたと感じ、最後まで期待を裏切られませんでした。最後まで見ごたえのある作品でした。
『11人もいる!』がテレビ朝日でドラマとして映像化(2011年)
2011年に放送されたドラマで、10人家族の長男である真田一男(神木隆之介)を中心に大家族の母で亡くなったはずの真田メグミ(広末涼子)が夫真田実(田辺誠一)の後妻が産んだ子供才悟(加藤清史郎)にだけ見えてそこからの家族コメディなのですが、一人一人のキャラが立っていて人物が多い中誰1人薄い存在感のキャラはいないのが工藤勘九郎作品の凄いところだと思っていて、全員で家族なんだなと強く感じられる温かい作品です。
また、途中で挟まれる大家族の父の弟真田ヒロユキ(星野源)の弾き語りがあり話数ごとに楽しみになっていきました。
とても心温まる作品なのでお家で家族と一緒にいただきたい作品です。
『あまちゃん』がNHK連続テレビ小説として映像化(2013年)
朝ドラの中でも毎日観るのが楽しみだった作品です。震災も最後の方に描かれるのですがそれによって夢が絶たれたキャラもいて絶望を感じるのですが復興に向けて人々が立ち上がる、希望に向かって進もうとしている姿が描かれているので前向きになれる。劇中の音楽や曲も心に残るものばかり。のんさんにとって代表作。彼女なしでは成り立たない作品。彼女の無垢な笑顔、天然な性格がとても癒された。周りのキャラクターたちもそんな彼女を支え、盛り上げてくれるこれまた個性的なキャラばかり。変に恋物語もなく、家族の描き方も生々しくてリアル。これまたクドカン作品ならではのテンポですが朝から元気をもらえるので悪くはない。何度も見たくなる作品です。
『いだてん〜東京オリムピック噺〜』がNHK大河ドラマとして映像化(2019年)
宮藤官九郎初の大河ドラマ。東京オリンピックと落語を融合させた作品。ただのオリンピック開催までの道のりだけでなく、落語の寄席に沿って進んでいく。大河でも珍しい現代劇であり、前半後半主人公もバトンタッチしていく。前半の中村勘九郎さん演じる金栗四三の半生は走りバカというほど走りに命をかけている人物をエキセントリックに演じ、東京オリンピックを招致した田畑政治を阿部サダヲが破天荒な男を演じる。一見史実に思えないものもちゃんと史実であったり、キャストも個性が強く、クドカンドラマの総決算。テンポも良く、明暗のコントラストもバランスよく良い意味で大河っぽくなく堅苦しくないものになっていると思う。音楽もあまちゃん好きなら嬉しいかも。
2019年に放送しNHK大河ドラマの作品で1964年の東京オリンピック開催までの52年間の人々がオリンピックにかけた思いを描いたドラマで、今年開催されるはずだった2度目の東京オリンピックに合わせての放送でしたが、開催が延期され残念だと思う反面、こちらの作品で現代で今この目で見られて体験できるのが現実になっていて、ドラマで観た感動ができるというのを感じてワクワクしました。
以前の東京オリンピック開催までの苦労と海外との違い、いろいろ起こるトラブルに見舞われながらも成功に導いた人々の頑張りがよく出ていて毎視聴釘付けで、次が待ち遠しくなり、最終回は泣いてしまいました。
その他宮藤官九郎さん脚本作品
ロケット・ボーイ(2001年 フジテレビ)
木更津キャッツアイ(2002年 TBS)
吾輩は主婦である(2006年 TBS)
流星の絆(2008年 TBS)
うぬぼれ刑事(2010年 TBS)
ごめんね青春!(2014年 TBS)
ゆとりですがなにか(2016年 日本テレビ)
GO(2001年)
ピンポン(2002年)
木更津キャッツアイシリーズ
ゼブラーマンシリーズ
真夜中の弥次さん喜多さん(2005年)
少年メリケンサック(2009年)
カムイ外伝(2009年)
なくもんか(2009年)
中学生円山(2013年)
謝罪の王様(2013年)
土竜の唄 潜入捜査官REIJI(2014年)
土竜の唄 香港狂騒曲(2016年)
パンク侍、斬られて候(2018年)