『愛していると言ってくれ』がTBSでドラマとして映像化(1995年)
聴覚障害をもつ画家男性と女優志望の女性の物語なんですが、とにかく繊細で美しいラブストーリーなんですよね。手話を話す豊川さんの指が本当にキレイで、私もなんですが、このドラマを見て手話を覚えようと思った人もきっとたくさんいるんじゃないかと思います。常葉さんも何に対しても一生懸命で、一途な女の子を演じていて、最初は心を閉ざしていた彼に「あなたと私はそんなに違うの?耳が聞こえないあなたと、聞こえる私はそんなに違うの?だったら私はもっとあなたをわかりたい。あなたを知りたい」と訴える姿には何回泣かされたかわかりません。とにかくワンシーン、ワンシーン全てが美しいドラマでした。今年再放送がありましたが、今でも全然色褪せない究極のラブストーリーです。
まだフレッシュさが残る常盤貴子と、大人の色気を感じさせる豊川悦司のふたりは、大人の恋に憧れる私の心を虜にしました。
恋愛って、言葉が話せても聞けてもすれ違ったりもどかしい事だらけなのに、それすらできない二人は本当にわかり合えるのだろうか…と悶々としてしまったのを覚えています。私もまだ若かった…。恋愛に憧れをもっていた私にとってはふたりの姿がただただ切なくしか見えませんでした。
恋愛における喜びも描かれていたと思いますが、私にとっては切なさが勝っていてふたりの恋愛の行方にハラハラしながら毎週見ていました。
そして語るのに欠かせないのが、主題歌であるDREAMS COME TRUEの「LOVE LOVE LOVE」です。このドラマの切なさを上手く表現していて、今でも頭にメロディーが残っているという人も少なくないと思います。
『ロングバケーション』がフジテレビでドラマとして映像化(1996年)
もう20年以上前の作品なんですが、このドラマが今でも私の中のNo.1ドラマで、もう数えきれないほど見倒した最強のラブコメだと思います。キャスト、ストーリー、音楽どれをとっても文句のつけようがありません。木村拓哉さんと山口智子さんの2人が醸し出すナチュラルな雰囲気は他のドラマではまず見た事ありません。その当時、本当に付き合っちゃえばいいのになぁと思ったくらいです(笑)セリフもシーンも覚えてしまうくらい見たのですが、ドラマの中に出てくる「何をやってもうまくいかないときは、神様がくれた長い休暇だと思って、無理に走らない、焦らない、頑張らない、自然に身を委ねる」というのがあるのですが、このセリフがものすごく刺さるんですよね〜。是非今の若い人達にも見て欲しいドラマです。
今まで見た恋愛ドラマの中で一番素敵なドラマだったように思います。北川さんの書いた脚本に木村拓哉さんと山口智子さんがぴったりでした。このドラマの最初の始まりが衝撃的でした。山口さんが花嫁姿で走り回っているのです。その姿を見た瞬間、このドラマはきっと面白いと予感しました。そしてこの2人のやり取りがとても自然で、セリフ一つ一つが心に残りました。友達のような、兄弟のような関係の2人が、段々と自分の気持ちに気づいていく様子を見ていると嬉しくもあり、切なくもありました。そして最高だったのが最終回です。何回も何回も繰り返して見てしまうほどに2人の姿が輝いていました。そんな2人を描ける北川さんは素晴らしいな思わされる作品でした。
全盛期と言っても過言ではない、木村拓哉と山口智子の共演で話題になりました。まず出演者がとても豪華です。まだ初々しさの残る松たか子や、竹野内豊が脇役として出演。個人的には稲森いずみのユニークなキャラクターがツボでした!
設定としては売れない妙齢のモデルとして山口智子が出ていますが、スタイル抜群さばさばしたキャラクターでアネゴ肌な点がとてもはまり役でした。
憎まれ口をたたきあい、なかなか素直になれないふたりですが、ラストシーンの海に向かってお互いの名前を叫びその後にキスをするシーンが非常に印象的でした。
甘く切ないだけのラブストーリーではなく、スカッとできて笑えるトレンディードラマでもあります。
私のなかでは木村拓哉主演ドラマのトップ3に入る、私にとっての青春ドラマです。
『ビューティフルライフ』がTBSでドラマとして映像化(2000年)
このドラマは涙が枯れる程泣いた究極のラブストーリーです。車椅子の杏子とカリスマ美容師の恋を描いたストーリーですが、病気にも負けず懸命に明るく生きる杏子を常盤貴子さんが演じられていて、その姿に何度涙したかわかりません。美容師柊二を演じている木村さんも杏子と出会って、杏子を本当に大切に愛している姿が画面から溢れていました。冒頭で流れる杏子の「ねえ、柊二。この世は綺麗だったよ。高さ100センチから見る世界は綺麗だったよ。あなたに出会って、私の人生は、星屑をまいたように輝いたんだ」というセリフが本当に印象的で、今でも一字一句間違えず覚えてます。あと杏子が亡くなって、柊二が最後のメイクを施してあげるシーンは本当切なくて号泣です。
車椅子の女性と美容師の男性が恋に落ちるというお話でしたが、障害を扱っていながらも全く暗い雰囲気や重い雰囲気のないドラマでした。また障害を持つということがどういうことなのか、障害を持って好きな人と接するのはどんな気持ちがするのかということを北川さんがきちんと理解していて、考えて作られている作品だということが伝わってきました。そして2人の恋愛だけでなく、その2人を取り巻く家族や友人たちの気持ちも細かく描かれていて、心にぐっとくる場面がたくさんありました。衝撃的だったのはラストシーンです。2人がそのまま幸せになるという展開を迎えないところが北川さんらしいなと思ったし、それでも悲しみの中にちゃんと光がある終わり方だったのがよかったです。
体にハンディキャップをもつヒロインという設定が新鮮でした。木村拓哉と常盤貴子という組み合わせですが、木村拓哉の売れっ子美容師役はドンピシャでした。彼のファッションやヘアースタイルはこのドラマをきっかけに流行したと記憶しています。颯爽とバイクを乗りこなす姿も格好よかったです。
ライバル美容師役として西川貴教が出演していて、彼についてはアーティストとしてのイメージしかなかったので演技の上手さに驚きました。
ネタバレですが、ラストはヒロインが亡くなってしまう悲しい結末ですが、不思議なことに悲しいだけではなく出会えて愛し合えたことの喜びを感じるラストでした。
木村拓哉が海沿いに美容室を開いたことをわからせるラストシーンは、彼がこれからも彼女を心のなかで愛していくという未来を感じられる穏やかなものでした。
『半分、青い。』がNHK連続テレビ小説でドラマとして映像化(2018年)
朝ドラ史上、1番キュンキュンできる作品でした。朝ドラは大抵主人公と相手役が段々と距離を縮め、幸せになるという展開が多いですが、半分青いではお互いが結婚してしまったという一筋縄では幸せになれない展開が北川さんらしいなと思いました。また恋愛要素だけでなく、主人公のすずめが漫画家になるためにもがき苦しむ場面も非常に心に残りました。すずめに感情移入できる作品だったので、すずめが涙する場面では必ず泣けました。そして夢も叶うのではなく、うまくいかないというのがまた朝ドラらしくなくて魅力的なところでもありました。それでも頑張って生きていこうとするすずめを見ていると、毎日元気がもらえました。北川さんがこの脚本に悩んでいたというのが伝わってきました。
その他北川悦吏子さん脚本作品
- 素顔のままで(1992年)
- あすなろ白書(1993年)
- 君といた夏(1994年)
- 最後の恋(1997年)
- Over Time-オーバー・タイム(1999年)
- Love Story(2001年)
- 空から降る一億の星(2002年)
- オレンジデイズ(2004年)
- たったひとつの恋(2006年)
- 素直になれなくて(2010年)
- 運命に、似た恋(2016年)
- ハルフウェイ(2009年)
- 天国への郵便配達人(2010年)
- 新しい靴を買わなくちゃ(2012年)