決算! 忠臣蔵（映画）無料フル動画配信情報！Netflixやhuluで見れる？

予告編から面白そうで、1人でワクワクしながら映画館に見に行ってしまいました。
忠臣蔵はこれまでに数多くの映画や舞台、小説などでいろいろ語り尽くされた歴史的事件だと思いますが、『決算！忠臣蔵』はその中でも新しい切り口の映画だったと思います。
これまでの歴史ものだと、忠臣蔵は家臣たちの忠義を大きく取り上げた話で描かれ、吉良邸への討ち入りのドラマチックさや、その戦いの場面が物語のクライマックスに描かれることが多いと思います。
ですが、『決算！忠臣蔵』では、実は吉良邸への討ち入りはメインではなく、浅野内匠頭が切腹を命じられてから家臣たちが吉良邸へ乗り込むまでのあれやこれやがメインとして描かれており、討ち入りの場面は実は演じられていません！
ここまで映さないでいいのか！と逆に驚くくらい、討ち入りの描写はさっぱりとしています。
ですが、家臣たちが討ち入りを念入りに考えている場面や、あれやこれやお金の勘定をしているところがわかりやすくコミカルに描かれていました。
当時のお金の感覚が現代の私たちにわかりやすいように、様々説明の工夫もしてありました。
「やりたいこと」と「やれること」でお金の勘定に困るのはいつの時代も同じなんだなあと、クスクス笑える映画でした。
吉本が制作に携わっているということで、出演の役者さんたちも芸人さんが多く、俳優の方のコミカルな演技も非常に面白い作品でした。
これまでに忠臣蔵を見たことない人も見たことある人も、誰でも楽しめる映画だと思います。

忠臣蔵といえば、主君・浅野内匠頭の敵討ちのために赤穂浪士たちが吉良上野介決死の討ち入りをする、というのがよくあるエピソードだと思います。
ですが、この映画は人が亡くなるような凄惨な場面はほとんどありません。
『「忠臣蔵」の決算書』という本を映画化した、あくまでも「決算」が中心のお話です。
赤穂浪士たちの意志、というよりは周りに流されて敵討ちをするかしないか、という流れや
いざ敵討ちとなったときにも予算が膨大にかかるため、何とか節約できないか悩むシーンなど
従来の忠臣蔵作品にはない、新しい忠臣蔵が描かれていました。
コメディ寄りといえばそうなのですが、笑いの中にもきちんと人情や忠義が感じられる作品となっています。
それはやはり、キャストの配役と演技が素晴らしかったからでしょう。
主演の堤真一さん、岡村隆史さん演じるキャラクターはとても魅力的で、個人的には岡村さんの演技に非常に好感を持ちました。
エンドロールでジャニーズの方が何人か出ているのに気づきましたが、誰がそうなのかわからないくらい違和感なく良い演技をされていたので、そういった偏見もなく見られると思います。
ほんの少し殺陣のシーンもありますが、流血も少ないので、そういったものや悲劇作品が苦手で今まで忠臣蔵関連の作品を見たことがない、という人には特におすすめしたいです。
最後に討ち入りに向かう浪士たちの姿が映りますが、それまでのコメディ感が払拭されるような、すばらしいエンディングでした。

まさか、忠臣蔵にこんな切り口があったなんて！という衝撃的な作品です。
いうなれば、エコノミカルな忠臣蔵…誰もが知っているはずの物語が、こんなふうに笑えるなんて、驚きでした。
まず、本作で全ての貨幣価値の基準になっているのが蕎麦の値段。
一杯が十六文。
現在の価値で約480円とされています。
松の廊下で刃傷沙汰が起こり、お取り潰しになってしまった赤穂浅野家。
最大の理不尽の結果は、今でいう倒産です。
筆頭家老の大石内蔵助（堤真一）は、その残務整理をしなければなりませんが、気づいたら吉良上野介への敵討ちというムーブメントが起こっていたのです。
しかし、何をするのにもとにかくお金がかかります。
討ち入りをしなくても、誰かが何かをやらかせば、お金に羽が生えて飛んでいき、その穴埋めに奔走せざるを得ません。
彼は度々「なんでやねん！」と頭を抱える羽目に陥るのです。
そんな彼を淡々と支えていたのが身分は低いものの内蔵助とは幼馴染だった勘定方の矢頭長助（岡村隆史）でした。
この二人の対比、そして史実として知られている長助の人生とは少しだけことなるフィクションが素晴らしい味となって、内蔵助の心に火をつけました。
意外性の塊のような映画です。
それでも笑えるツボがそこかしこにあるのが素晴らしい。
他の真面目な忠臣蔵と見比べてみるのもお勧めです。