累 かさね（映画）無料フル動画配信情報！Netflixやhuluで見れる？

芳根京子演じる累と土屋太鳳演じるニナの愛執と憎悪の物語です。
本当に醜いものは何か…？二人の女優が自分に無い物を羨み、妬み、奪い合う様子がリアルに描かれています。

伝説の女優を母に持ち、類稀な演技の才能をもつ累は顔に酷い傷を持ち、醜い者として心無い仕打ちを周りから受けて育ちます。
一方ニナは美人だと周りにちやほやされ育ちますが演技の才能はゼロ。
そんな二人が出会い、累の亡き母が遺した入れ替わる力を持つ口紅を使い互いに無いものを補い合うように依存していきます。

しかしそんな日々はある男との出会いで変貌を遂げていきます。
芳根京子さんと土屋太鳳さんと言えば朝ドラ女優、爽やかなイメージが強くありますが、この作品ではこんな演技ができるのか！と驚かされるような鬼気迫る演技の連続でした。
まさに演技と演技のぶつかり合い、お二人の普段とは違う役を演じ切る気迫に圧倒されました。
とても人間的で感情移入せずにはいられないです。

劇中、入れ替わるお二人が今ニナなのか、累なのか、非常に面白い作品でした。
芳根京子さんの無気力な累が本当に目に煌きを失い絶望のまっ只中にいるようでもがき苦しむ姿に胸を打たれます。
そして最後の舞台でのシーン、土屋太鳳さんの舞いが美しく煌びやかで見どころです。

累は一番のみどころは、土屋太鳳さんによるダンスシーンが一番の見どころだと思います。
美しく妖艶であり、その表情がどんどん変化する土屋さんがかなり凄かったです。その表情の変化がかなり美しかったり恐ろしかったりと凄すぎて驚きました。またもう一人の主人公である芳根京子さん。彼女の顔には大きな傷があります。それはかつて起きた事件の所為でついたものですが、彼女には秘密の口紅があり、その口紅を付けると顔を交換出来るというもの。
そのシーンがとても素敵でした。

土屋さんは一人二役ということになりますが、私は芳根京子さんの怯えた表情であったり、話し方が可愛らしくてそちらに見入ってしまいました。ただ横山裕さんの演技力の稚拙さが目立ってしまい、主人公二人の存在感が増し、邪魔をしている様な気がしました。他にも演技派の俳優さんが多数いらっしゃるのに、確実な集客を狙ったのしょうか。なんだかそこだけぽっかりと浮いてしまい、笑ってしまうようなシーンが多々ありました。そこだけが残念です。

他の出演者がかなり良かっただけにそこだけがちょっと部分的に切り取って、別の方に変えていただきたいくらいでした。
土屋太鳳さんが演じたニナは実は演技が下手という部分が面白く、どんどんその演技力が上がっていく様を演じた土屋さんに凄いという賞賛を送りたいです。

「累 かさね」は、土屋太鳳ちゃんと芳根京子ちゃんがダブル主演の作品なのですが以前からこの2人は雰囲気や顔の系統が似ているなというイメージを持っていたので、2人がお互いの顔を入れ替え利用し合うというストーリーはこの2人にとてもぴったりな作品だなという印象を受けました。

映画の中で舞台「チェーホフ」の「カモメ」と「オスカーワイルド」の「サロメ」が出てくるのですが、私自身、舞台が大好きなのでこの二つの作品が出てきたときは、とても驚き感動してしまいました。

口紅を使って顔を入れ替えるというアイディアが斬新で面白いのですが、2人がだんだん入れ替わっていく過程で嫉妬や憎しみが生まれ、物語が進んでいくうちにだんだんドロドロするようになっていき目が離せなくなってしまい映画の世界に引き込まれてしまう作品です。

舞台女優であるのに演技がものすごく上手ではない「ニナ」と、顔に大きな傷があるけど伝説の女優の血を引いているので演技の才能がある「累」、この2人の関係性や恋人ができたりと2人を取り巻く環境が物語が進むにつれてどんどん変化していくところが非常に面白いです。
物語が進んでいっても先が全く見えないので、ハラハラドキドキしながら見ることができます。