『ボックス!』が映画として映像化(2010年)
私がボックスをお勧めする理由は私自身もボクシング選手として試合に出て勝ったり負けたりしたのですが、この作品は登場人物の心情を本当によく描いている作品だと思いました。主人公である天才ボクサーであるカブはその才能をいかんなく発揮して結果を出していきますが、幼馴染のユウキは弱い自分を変えたくて少しずつ地道に努力していきます。やがてユウキがカブを超えるまでにボクシングが強くなるのですが、そこに至るまでの努力や挫折を丁寧に描いており非常に素晴らしい作品だと思いました。また、頭のおかしいボクシングトレーナーなどプロボクシングジムの取材もしっかり行っていることがわかるので思わず「こういうヤツいるなぁ~」と思ってしまいました。ボクシング好きにオススメです。
吉川英治文学賞受賞、後に漫画化もされている。映画は、2010年5月22日に封切られた。電車の中でチンピラに絡まれていたのを助けたのが、自分の学校の生徒だった。ボクシング部に所属する生徒だと明らかになったのだが。ボクシング部で幼なじみとライバルとなり争い続ける日々。かたや練習嫌いで連戦連勝、かたやコツコツと練習で成果を積み上げていく。正反対の二人がライバルとなり。コツコツと練習で調子を上げても勝てない。その過程やその経過などについてを語るのは負け惜しみなのではないか?勝てないことでその過程がなどと言えないのではないか?やはり、勝てないことの負け惜しみなんかに人を巻き込んではいけないのではないか?
『永遠の0』がドラマ・映画で映像化(2013年)
百田尚樹のデビュー作はテレビドラマ化され、放映された。厳しい戦争を題材にした辛いドラマだ。老人の今際の際と戦争の回想という構成でドラマは進行する。平和な世界で家族と暮らしていても、自分はソッチの戦争で戦死したと述べる老人。悪徳業者と逆の命という話に及んでも戦時中の拷問や戒律や極限しか語らなず、戦争を回想し続ける老人。戦争だけが暴力を正義とし戦争だけが人を殺すのが目的であり勝ちなのだ。人間が人間をここまで憎めるものだろうか?何も関係ない何も繋がりのない人間を人間がここまで憎めるものなのだろうか?この「永遠の0」いうドラマで露呈した理由のない日本の憎しみというものに驚嘆し続けている。
この作品がオススメできるのは司法試験に落ち続け、人生の目標を失いかけた青年・佐伯健太郎と、フリーライターの姉・慶子は、実の祖父だと思っていた賢一郎とは血のつながりがなく、本当の祖父は太平洋戦争で特攻により戦死した宮部久蔵という人物であり孫の健太郎が祖父のことを調べていくうちにやがて戦後60年にわたり封印されてきた驚きの事実にたどり着くのがこの作品のみどころです。
戦争を体験したことのない現代人がこの映画をみることで、戦争の中生きた人々の苦悩が理解出来て来るのがみどころです。
現代と戦争時代の過去の二つの時代の話になっており見た人の心を感動させてくれる作品になっているのでおすすめの作品です。
『モンスター』が映画として映像化(2013年)
この作品をオススメする理由は男が成り上がるにはスポーツや仕事などで結果をバシバシ出していくことに対して女は一体なんでのし上がっていくのだろうか?と考えたときに女は美しさを磨くことで女性の中でのヒエラルキーが決まっていくと考えたときにこの作品は本当に面白かったです。きれいごと抜きで考えると女性は当然美しくあれば男性からの扱いは変わってきますし、ブスであれば扱いもひどくなっていきます。この作品ではブスである時の扱いと美容整形を繰り返して徐々に美しくなることで周囲からの待遇が変わっていき、主人公の考え方や立ち位置も変わっていく様子が描かれていて見ていてなんだか気持ちよかったです。また、美容整形に興味をもった作品です。
幼少期から周囲にバケモノ呼ばわりされた女が整形手術に目覚め、完ぺきな美ぼうを手に入れるまでを描いており見ているうちに目が離せなくなってしまう面白さがあります。
風俗嬢として稼いだ金で理想の全身を手に入れ、名前も変えて別人として生きる姿が迫力を感じます。
この作品は主演の高岡さんが特殊メイクをして醜い女性から美しくなり自分をばかにしていた男性たちに情念を燃やす姿が面白くオススメの作品です。
人は誰でもコンプレックスを持っていますが、だからこそこの作品は誰が見ても共感出来る部分が多く感じます。
彼女の変化して行く姿が見ごたえがあり見る人の心をつかんで離さなくなる面白い作品になっていると思います。
『海賊とよばれた男』が映画として映像化(2016年)
ビジネスパーソンにオススメです。戦後の復興という大変難しい時代から会社を立て直していくストーリーは主人公の生い立ちから丁寧に描かれており、なぜ海賊と呼ばれるようになったのかを作品を通してしることができるのですが、まさしく命がけで商売をする昭和の商売人の根性を感じました。従業員をリストラする企業は多いのですが、この時代に社員をクビにすることなく会社を立ち直らせた手腕は驚くべきことですし、現在の経営者はこの作品を見てもらいたいと思います。また、当時の時代背景を知ることができるので日本の復興がどのように行われていったのか歴史的にも勉強になる作品です。仕事に情熱がいまいち出てこない人にオススメです。
この作品は、主人公が北九州の門司で石油業に乗り出すが、国内の販売業者や欧米の石油メジャーなど、様々な壁が立ちふさがりますが独自の方法で乗り越えて行く姿が元気をもらうことが出来ます。
主演の岡田さんが共演している有名な俳優さんと演技のうえでひけを取るどころか上を行く演技をしているのが楽しむことが出来ます。
唯一保有する巨大タンカー「日承丸」を秘密裏にイランに派遣するという大胆な行動に出る所などとても迫力を感じました。
今の日本人はどこか無難に過ごそうとする人が多いですが、この主人公の大胆な生き方を見ることでこんな凄い生き方があるんだということを気付かせてくれるのでこの作品がオススメです。
『フォルトゥナの瞳』が映画として映像化(2019年)
「愛か死か?」という鮮烈なコピーが衝撃的である。新目前にした人ざ透けて見えるフォルトゥナの瞳。透けて見える人を助けると自分の体が死を見ることになる。体が痛み医者通いをしながら考えるのである。透けて見える人について。恋人が助けてみえたことで物語が展開し始める。百田尚樹らしくないな!と思ったが、やはり死が見える。死ばかりが題材である。助けようとするだけで体に痛むが止まないことで簡単に死というものを扱えないことを理解すのか?というといかけである。いちいち痛い。それで、痛みを感じることで簡単に死を扱ってはいけなかったということが少しは想像がつくのか?問いかけである。なんでも簡単な百田尚樹からの問いかけである。