ほしのこえ（アニメ映画） 見逃し無料動画配信情報！Netflixやhuluで見れる？

距離・時間・空間・否応なく大人にならざるをえない人物など、新海監督のエッセンスが凝縮された初期の短編作品で、オリジナル版では監督自身が男性主人公の声をあてていて、何が何でもこの作品を世に出したかったと言う熱意を感じる。話はいたってシンプルで、火星にやって来た地球外生命体と接触するために国連のロボットに乗る選抜メンバーに選ばれた美加子と、昇の携帯電話でのメールのやり取りをメインに進んでいく。最初はエアメールのようだと言っていたやり取りは、美加子が地球を離れて行くごとにその間隔が開き、メッセージもタイムラグを持って届くようになり、二人の距離が確実に離れていっている事がひしひしと伝わってくる。やがて、地球とのタイムラグが一年になる頃、長距離ワープに入る前に、次にメッセージが届くのには八年かかると言うアナウンスが流れ、美加子は「好き」だと書き加えたメッセージが届くように祈った。そして美加子たが宇宙での戦闘で大損害を受けたニュースが小さく報道された。最後のメッセージから八年以上が過ぎ、昇が大人になる頃、美加子から届いたメッセージの最後の方はノイズだけになっていた。あまりにも切ない幕切れだが、場所や距離を越えて通じ合うというテーマは、新海誠監督の作品の根底に今も流れ続けているように思う。

2002年に上映した新海誠監督初の劇場版アニメーション作品。下北沢の短編映画専門館、トリウッドでのみ上映されています。ストーリーは2046年同じ中学校に通うノボルとミカコのお話し。ミカコは国連軍の選抜メンバーに選ばれ、地球を出発することに。携帯電話のメールでやりとりをする二人だったが、ミカコが乗る宇宙船が太陽系の中心部に近づくにつれ電波は遠くなり、連絡も途切れ途切れになってきて‥。というお話し。時空の狭間に放り出され、心の距離とは裏腹に離れ離れになっていく少年と少女の心心情を切なく描くストーリー。このような題材は、後の「君の名は」「天気の子」に受け継がれていて新海誠監督のルーツ的な作品。絵は初期の頃のせいか、人物の線が硬い感じがするが、場面展開が上手く少年の苛立ち安ければ悲しみがよく伝わってきます。携帯電話がPHSっぽいのも時代を感じさせますね。この頃はまだスマートフォンとか思いもつかなかったんでしょうね。DVD版ではこの作品と「秒速5センチメートル」(2007年)が一緒に入っています。ボーナストラックで新海誠監督のロングインタビューが入っていて「君の名は」までの全作品についての制作秘話などを監督自らが語っていますのでファン必見のDVDです。