泣くな、はらちゃん（ドラマ）全話無料フル動画配信情報！長瀬智也・麻生久美子主演

越前さんは、かまぼこ工場に正社員として働いてる女性です。職場ではしいたげられ、地味な見た目と、自己主張できない性格の女性で、家に帰ると、その不満を自分が書いている漫画、泣くなはらちゃん、に書く事でストレスを発散していました。そんな性格の女性を演じている麻生久美子さんが漫画の中のはらちゃんに不満や言いたいことを話す一人芝居も最高です。又漫画の中の恋人のはらちゃん役を長瀬智也さんが演じており、漫画の世界のはらちゃんが、現実の世界に飛び出して、現実世界の二人が次第に好きになって行く様子が見どころです。又、自分がこの世界から居なくなっても、誰も困らないと、思い、漫画の世界に入ってしまった越前さんに、はらちゃんが説得して、現実世界に戻る越前さん。はらちゃんと、現実世界で出会った越前さんが、次第に前向きな性格に変わり、現実世界でも生き生きと生活していけるようになっていく様子と、そんな人に変えてくれたはらちゃんとの出会いが見どころです。又、漫画の中で好きだったはらちゃんと、現実世界でも両思いになって、楽しい時間を過ごす越前さんの楽しい様子、変化も見どころです。長瀬智也さんと、麻生祐未さん二人のダブル主演でのドラマというところも見どころです。

自分の書いた漫画のキャラが、現実世界にやってくるというありえない設定ですが、笑える部分がたくさんあって本当に面白いです。設定はありえないのに、主人公の越前さん（麻生久美子）は、どこにでもいそうな独身女性を描いているので、リアリティーがあって感情移入もしやすく、夢を持たせてくれるようなドラマに仕上がっています。また、彼女が描いた漫画のキャラクター・はらちゃん（長瀬智也）が本当にいい味を出しています。漫画の世界しか知らない故に、様々な失敗もありますが、持ち前の真面目さで明るく乗り越えていく姿が印象的でした。また、このドラマにはブレイク前の賀来賢人さんや菅田将暉さんも出演しているので、今になって見返して見るとかなり豪華なキャストになっています。個人的には、はらちゃんの相談相手にもなるパートリーダー・矢口さん（薬師丸ひろ子）が大好きでした。普通のパートのおばちゃんかと思いきや、実は売れっ子の漫画家をやっていたというギャップが面白かったです。また、このドラマの主題歌「リリック」は、長瀬智也さんが自身で作詞作曲を手がけていて、TOKIOのベストアルバムの中でもファン投票1位を獲得した名曲になっています。私もTOKIOの歌の中で1番好きな楽曲なので、ぜひみんなにも聞いてもらいたいです。

TOKIOの長瀬智也が主演で、漫画の世界と現実が錯綜する不思議なドラマでした。見どころは、かまぼこ工場で働く麻生久美子の前に、ノートに描いていた漫画の主人公が現れ、麻生に淡い恋をするという素敵なストーリーです。泣くな、はらちゃんというタイトルにもあるように、長瀬がはらちゃんの役をやって、最後には切なく分かれるというドラマです。漫画から飛び出して、初めて恋をして尽くす女性にふさわしいのは、「永遠の憧れを演じられる女優」ということで、麻生が選ばれたようです。確かに彼女の醸し出す上品さみたいなものが、あこがれの対象になるのだろうと納得です。かまぼこ工場で、幸せと縁遠く損ばかりしていた麻生は、長瀬との両想いの生活の中で、やがて前向きに人生を生きていくようになります。工場でも一生懸命に働くのです。その姿がとてもまぶしくて感動します。それでも、切ない別れはやってきます。薬師丸ひろ子は長瀬に問います。「麻生がいつか他の人を好きになったときにはどうするの？」と。長瀬は「麻生さんが幸せなら自分も幸せだ」と答えます。薬師丸はそれを「愛」だと教えるシーンも胸に響きました。長瀬が去っていきますが、困ったことがあったらいつでも駆けつけると言います。その通り、麻生が転んだとき、長瀬はさっそうと助けに来てくれました。泣けるドラマです。

職場のパートの意地悪なおばちゃんにいびられて、文句一つ言えずに理不尽な日々を送る正社員で、本作の主人公・越前さん(麻生久美子)には、人知れずストレスを発散させる武器があります。
一方、彼女の同僚の社員で、いつも仏頂面で不機嫌な印象の紺野清美(忽那汐里)は、反抗せずに黙っている彼女に苛立つ第一印象が怖い女性で、同僚の男性社員・田中くん(丸山隆平)に対しても、いつも怖い顔で睨んでくるため、彼の中ではひそかに「悪魔」と思われています。
そんな彼は越前さんに対して優しく、ひそかに思いを募らせていて、自分の中の神様と位置づけているという内容に、田中くんは神様と悪魔と一緒に働いているのかと思ったら、おかしくて笑ってしまいました。
前述の武器とは、越前さんがノートに描いた漫画の中で、自分の心の中の叫びをキャラクターたちのセリフとして、吐露させることです。
他人には見せない、すごい剣幕で書きなぐる様は見どころであり、恐怖を覚えるほど激しくて、鉛筆の芯が折れるのではないかと心配するほどです。
初めは冷静に見ていたのが、回を重ねるごとに面白くなり、最後には応援している自分がいました。そんな起伏が激しく共感できる主人公を麻生久美子が好演しています。
この手の現実逃避をする類の話は他にもありますが、このドラマが違うところは、ノートに描いた漫画の中に彼女も意図しない世界が存在することです。
漫画の描かれたノートを閉じると世界が動き出し、この漫画の主人公・はらちゃん(長瀬智也)をはじめ、彼の意見にいつも同意してくれるマキヒロ、酒を注ぐだけのあっくん、彼らの話を笑って聞く・笑いおじさん(甲本雅裕)、カウンターで「殺すしかないねえ」が口癖の女性・ユキ姉(奥貫薫)たちが、居酒屋を舞台に会話し始めます。
彼らはあくまでも越前さんが設定したキャラクターなので、自分の意思に反した言動に憤りを感じていて、この世界の住人たちも、越前さん同様に本音では不満を抱えている点や、自分たちが漫画の中の住人である事実を知らない点も面白さのひとつです。
ふとしたことがきっかけで、はらちゃんが現実の世界に来たことによりドラマが展開しますが、最初に出会った田中くんとの噛み合わない会話も面白く、はらちゃんには「神様＝越前さん」「悪魔＝清美」と認識させてしまい、彼女たちに面と向かって呼んでしまう純粋なはらちゃんにも笑ってしまいます。
「悪魔」こと清美はギター片手に歌うことが好きで、人気のない神社の階段で、サングラスを掛け全身黒づくめに武装して小さな優しい声で歌う姿に、普段強気でいるように見えて、実は自分に自信がなく強がっているだけであり、真の姿は職場とは真逆な性格であることがわかります。
彼女が歌う歌詞の「片思い」の相手とは田中くんのことであり、彼を意識するが故、ついつい目で追ってしまう恋する乙女で、睨みは彼の勘違いだったことに、男って女心に鈍感なのだと痛感させられました。
後に越前さんに対して勝手にライバル心を燃やす彼女は、田中くんが好きな越前さんに対して苛立っていた嫉妬だとわかると、見ているうちに可愛い女の子に見えてきます。漫画の世界しか知らない無知なはらちゃんは、自分のことを聞かれても「はらちゃん」としか言えず、周りから初めは「怪しいヤツ」扱いされますが、純粋で真っ白な心を持つ彼と接していくうちに徐々に打ち解け惹かれて、出会った人たちを勇気づけていく姿は、まるでこの世に舞い降りた救世主のようです。
本作は、すべての演者たちが好演している素晴らしい作品ですが、中でも難しい役どころを演じきった、長瀬智也の才能を改めて感じました。
越前さんの弟で、お金のためなら姉の私物を平気で売り飛ばすバカもの・ひろし役の菅田将暉、漫画の世界で、はらちゃんの飲み友達・マキヒロを演じた賀来賢人の若手時代の粗削りな芝居が見られるのも、見どころのひとつです。
2013年の放送当時は、コメディー要素のある面白いファンタジー作品として見ていましたが、改めてもう一度見返してみると、当時とは違った観点で見ることで、作品の持つ奥深さを知ることができました。
視聴者の見方次第で色々な感じ方ができる、個人的に「傑作」と呼べるドラマのひとつです。