『ゲド戦記』（ジブリ映画）無料動画配信と口コミ評価・感想まとめ！NETFLIXやhuluで観れるのか

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まず主人公のアレンが非常に魅力的です。心を病んで父親を刺し殺してしまったアレンはハイタカに命を救われて共に旅をすることになります。その道中、ふとした拍子に見せる物憂げな表情や、ハイタカに連れられて訪れた街で売人の甘言につられて麻薬“ハジヤ”に手を出してしまいそうになったりする場面に17歳の少年の苦悩が透けて見えます。何も暗いところのない善人、というわけではなく人間らしく悩み苦しむ主人公に始終目が奪われます。そしてさすがジブリ、映像が美しいです。作中に登場する龍は、骨ばった翼の造形や鱗の一枚一枚まで作りこまれていて見応えがあります。特に冒頭で二匹の龍が取っ組み合うシーンは物凄い迫力です。また、アレンがハイタカと訪れた街の石壁が少し朽ちて色褪せている様子のリアルさなど、細部にも並々ならぬこだわりを感じます。物語を彩る音楽も異国情緒あふれる雰囲気で作品にとても良くマッチしていました。ゲド戦記の登場人物たちは皆何かの影に怯えて生きています。アレンやハイタカの敵として登場する魔法使いのクモが恐れているのは死の影でした。光があるから闇があり、闇があるから光があります。光と闇や生と死はどちらかなくして成り立つことはありません。死を拒み永遠の命を欲するクモに対し、死を拒絶することは生を拒むのと同義であると、死を恐れることは生きることを恐れているのと同じであると気づいたアレンが向かえる結末とは。均衡が崩れ行く世界を苦悩しながらも逞しく生き抜く人々の物語です。

ゲド戦記は以前から何度も拝見しており、先日映画館でも期間限定で公開されていた為、観に行ってきました。

私の思う一番の見所はテルーの歌声です。
歌手は、かの有名な手嶋葵さん。
アレンがテルーを探しに行き、テルーを見つけた所で流れ、タイミング良く涙を誘います。
歌声がとっても綺麗で、魅了されること間違いなしです。
テルーの唄は今の時代を生きる子供達の教科書に載っている歌でもあります。

原作とは話が違っていると批判される方も少なからず居られますが、原作とはまた違ったストーリー性を楽しめるので私は映画は映画でとても好きな作品です。
そして絵が綺麗な事も魅力の一つです。
ドラゴンの描写がとても綺麗で惹き込まれます。

ゲド戦記の作中には難しいと感じる描写が多く出てきます。
アレンがアレンを怖がっていたり…自分が自分を怖がるなんて理解できないと思われるかもしれませんが、これは光と闇について描かれています。
自分の中にも少なからず闇があり、その闇を追い払う為に自分の中の自分と戦うのです。

生と死について深く考えさせられるストーリーとなっているので、映画を観終わったあとには毎回なんとも言えない感情になります。
それでも、もう一度もう一度と何回も見直してしまうほどの魅力がこの作品にはあります。
まだ見てない方も見てみたいと思っておられる方にも是非オススメしたいジブリ作品です！

アーシュラ・K・ル＝グウィンの小説を基にした、宮崎駿の「シュナの旅」という絵物語を原案にした長編アニメーション映画です。
そのため、基となったゲド戦記とは異なる点が非常に多く見られます。
宮崎駿監督の息子である宮崎吾朗が監督・脚本を務めたことで話題を呼びました。
主人公の少年アレンの声をV6の岡田准一が、ヒロインのテルーは手嶋葵が担当しました。作中でテルーが歌を歌う場面も、手嶌葵の「時の歌」を本人が歌っており、美しい歌声が荒野に響き渡る雰囲気の良いシーンが出来上がっていました。
聖なる竜が共食いをはじめ、世界の均衡が崩れ、魔法を信じることのできなくなった人々の住まう世界……という、ジブリのファンタジー作品に多く見られる希望や光の感じられない、非常に鬱屈した世界を描いていることが本作の特徴です。そしてそれはキャラクターデザインにも反映されており、主人公の表情は基本的に無表情、稀に感情をあらわにしたと思えば苦痛に歪めた顔か、狂気に支配された表情なのです。ネガティブな表情を見せるにしても、その表情にあまり魅力を感じられないのはなぜなのでしょうか。
さて、宮崎駿監督の息子による初監督作品ということで、批判的な意見が飛び出すことは想像に難くないところですが、この作品は非常に酷評されました。
それは、暗い世界を描いているという点を差し引いても、前半が非常に盛り上がりに欠け、世界観の説明がやや不足している点にあるのではないでしょうか。
手嶌葵による美しい歌声が響き渡る場面も、あの場面に至るまでにあの歌声がどういったものなのかを見ている人に伝える努力をしていないがゆえに、魅力が半減しているのが惜しまれます。
屈折した、均衡の崩れた世界を表現しようという意気込みが、見ている人間にもっと伝わる作品であったならと思うばかりです。

ジブリ作品として見るには、子供には難しさの残るストーリーだと関心ました。ですが、声優陣は豪華で、見ごたえはあると思います。最終的には「命の大切さ」を意味深く感じさせるものだったように個人的には思いました。アレンは父王の命を殺めてしまい、そのまま父の剣を持ち去り国を捨てるのですが、何故父を殺めてしまったのか、定かにされていませんでした。竜が混在していた魔法使いの世界観が所々に出てくるのですが、アレンを助けてサポートするハイタカと、アレンから助けられてゲド戦記のストーリーのカギになるテルーの3人の関係や行く末も気になる展開で、個人的にはテルーとアレンが結ばれると思っていました。悪役となるのが、魔法使いでもあるクモで、この世界を我が物にするために敵と見なすハイタカやアレンを陥れようとしているのには、ハラハラさせられました。テルーの「命を大切にしないやつなんか大っ嫌いだ」ってセリフや、「死ぬことが分かっているから命は大切なんだ」ってセリフがイタいほど今の社会情勢とリンクしていて、今、見るのもおすすめです。最終決戦では、クモは魔法が使えるのに大事な場面で使わず、なんだか呆気ない終わり方でしたが、テルーが竜のいる世界から来た竜だったことには衝撃を受けました。

映画がはじまってすぐに主人公のアレンが父親を刺して逃亡するという衝撃的なはじまりにこれまでのジブリ作品とは何か違うように感じました。ストーリーやキャラクターも素晴らしい映画でしたが、原作にはないこのシーンが一番記憶に残りました。このシーンは父子の普遍的な対立や若いとき特有の理由がわからない衝動を表しており、ヒロインのテルーの唄をきいてアレンが「どうして刺してしまったのか、なぜやってしまったのかわからない」と言葉にして切なげな表情をしたとき、どんなに強くても彼はまだ心が幼く成長途中であることをよく現してるなと思いました。ジブリと言えば青春！のイメージで、ゲド戦記はそれから外れているように思ってましたが、アレンの成長を描かれていて、ある種の青春を描いていたのだと思います。また、物語のなかで「世界の均衡が崩れる」とあり、その崩れてく有様の表現が秀逸でした。作物が枯れ、人々の生活が堕落していくだけでなく、クモのように不老不死を願う人があらわれ自然の摂理に逆らう存在の登場、そして彼女を打ち破ることで世界が元に戻るのが、といえばそこはわからぬままエンディングを迎えます。インタビュー記事や原作を読んで考察すればするほど物語への理解が深まりました。考察すきな方におすすめの作品です。