賛否両論が別れる映画はこの世の中に多く存在しています。
しかしこの「ブタがいた教室」に関しては特に、賛否両論がはっきり別れることが理解できます。
これまであまり描かれることを歓迎されなかった「食肉」をテーマにした映画「ブタのいた教室」が作られたときは世間に衝撃を与えました。
小学校の授業の一環としてクラスで協力しブタを育てて、最後にそのブタの命を頂くというお話です。
少し残酷なのですが、残酷だからこの映画を観ないべき、といった判断を下すほうがあまりにも残酷です。私たち人間は無知のまま動物の命を頂く資格はありません。是非この機会に命の重みについて考えてみましょう。
ブタがいた教室 もし、あなたならどうする?賛否両論な意見が殺到
クラスで可愛がっていたブタのPちゃんを食肉センターに送ることを賛成できますか?反対できますか?
もし、あなたがブタがいた教室のクラスメイトの1人だったら、どちらを選択しますか?
まず、賛成の部分を述べます。
育てたブタを食肉センターに送る(殺す)ことで「いつも何も考えず口にしている肉にも、実際にも私達と同様に命があった」ということを痛く感じさせられます。私たちは普段、食べている肉のことを「肉」としてしか見られません。なので当たり前のように「いただきます。」と言ってはいるのですが、実際に愛着を湧かしたことのない肉に対して、心からの「いただきます。」が出来ているかというと、出来ていないような気がします。だからこそ、自分たちで育てたブタを自分たちで送り出すことによって命の重みを体感するのです。
そして次に反対の部分を述べます。
確かに自分たちで育てたのであれば自分たちで送り出すことまでが義務です。しかし、Pちゃんに関してはペットのようにクラスメイトで可愛がっていました。同じ食肉ではあろうとも「初めから食用として育てられている動物を食べる」のと「ペットのように大切に守ってきた動物を食べる」のとでは、少し意味が異なります。初めから食用として育てる義務があるのであれば名前を付けるべきではなく、「肉」として扱う覚悟が必要です。なので、最後まで役目を全うするために食肉センターに送り出すのではなく、話し合いをした段階でこの授業に幕を閉じてもよかったのではないでしょうか。
ブタがいた教室についての賛否の声
まとめ ブタがいた教室は賛否両論があるべき映画
ブタがいた教室の最大のテーマ「食肉」に関して討論をしても、この問いかけには正解不正解がありません。
この映画を観たことによって「食べ物は絶対に残さない」「命をくれた動物たちに感謝する」、このような意識が生まれた方がいるのは紛れもない事実だと思います。
しかしその反対に命の大切さに気付きすぎる余り「動物が殺されるのは耐えられない」「もう肉を食べない」と肉を食べることを辞め、ベジタリアンになる方がいらっしゃるのも事実かと思います。
一番大切なことは「知ること」です。どんなに残酷なテーマであっても目を背けてはいけない映画です。
この「ブタがいた教室」こそ、教育に取り入れるべき教材なのではないでしょうか。