Homecomings 『Hull Down』レビュー

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2018年10月24日にリリースされる京都出身の4ピース・バンド、Homecomingsの新作『WHALE LIVING』から『Hull Down』が先行配信されました。

船が見えなくなる場所=水平線を意味するタイトル。ALBUMの中でもKEYになるため選ばれたのでしょう。穏やかな波のようなアコースティックギターのストローク、緩やかな潮風を思わせるコーラスにのせて遠くにいる大切な誰かに想いを寄せる、切なくも清々しい楽曲です。

ギターの福富優樹さんはレギュラー出演しているラジオ番組で
「(福富さんがファンの)スピッツで言えば新作はどのALBUMですか?」
というリスナーからの質問に
「スピッツに、なります!」
と答えていました。

『Hull Down』からはやはりディストーションの効いたベース、それに対してクリアなギターのアルペジオとカッティングなど、スピッツやスピッツが参考にしただろう80年代後半、90年代前半のネオアコ・サウンドの強いインスピレーションが感じられます。間奏では『チェリー』そのままフレーズが出てきて、思わず笑顔になるリスナーも多いでしょう。

デビュー以来、平賀さち枝さんとのコラボレーション以外は一貫して英語詞のオリジナルを制作してきたHomecomingsですが、『WHALE LIVING』は初めて日本語詞でのALBUM制作へのシフトを果たしました。映像的なイマジネーションをかき立てる良質なメロディ、コードワークは既に充分証明済みですが、USカルチャーをたっぷり吸収した福富さんによる英語詞の世界観、それが畳野彩加さんのヴォーカルと合わさることで生まれる距離感がこのバンドの個性となってきたのは間違いないところでしょう。

相当の勇気を要しただろう、日本語詞へのトライが吉と出るかどうか。
「何処かへの旅に出た途中で 気づけば窓は開けっ放しだ」
という心に風が吹き込むような『Hull Down』のフレーズ、先日のイヴェント「New Neighbors」で披露された『SMOKE』が醸す、まるでユーミンかと言いたくなるほどのセンチミチンタルからはポジティヴな予兆がしっかりと感じられます。全貌が明らかになるALBUMのリリース日、10月24日がまさに待望の日となりました。

聴きこむ編集部ライター 吉田昂平
加藤幹郎「映画とはなにか」を読み批評活動に魅了される。映画、音楽、サッカーを軸に在野で活動。カウンター・カルチャー・マニア。

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