あいみょん 『マリーゴールド』 レビュー


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2018年8月8日。あいみょんの新曲『マリーゴールド』がリリース、シェアされました。大切に閉まっていた思い出がふとした瞬間に甦ってくる感覚を見事に表現したイントロから、オープンマインドなコード進行に乗せて描かれる一夏のストーリー。新たな代表曲の誕生です。

あいみょんがここ最近、ブレイク以降にシングルとして切っている楽曲には大まかに分けて2つの傾向があります。打ち込み系のリズムにアコースティック・ギターの鋭いカッティング、ワウ・ギター、そして主張の強いベースで艶やかな湿度の高い夜を描写する『愛を伝えたいだとか』『満月の夜に』。透明感溢れるダブルのギターソロをシグネチャーにした70年代の洋楽、90年代の邦楽を思わせるシンプルでオーセンティックなフォーク・ロック『君はロックを聴かない』、そして今作『マリーゴールド』。このスタイルには特に活動初期のスガシカオとの類似性を感じます。

「麦わらの帽子の君が揺れたマリーゴールドに似てる」

昨年のうちに出来ていたけれど夏の時期まで温めていたと言うのも納得の、誰の記憶の扉もノックするだろう言葉の描写力。また少し低めのキーが醸す語り手の中性感がさらなる普遍性を与える。イントロのサウンドが曲中ずっと鳴っていることで、この美しいストーリーが過去のものであることが示唆されている。すべてに意図があり、それが達成されているのです。

椎名林檎、宇多田ヒカル、aiko。
98年デビュー世代が君臨してきた日本の女性シンガーソングライターの世界。グループ・アイドルのブームの影響もあり停滞していた空気を変えるタレントが、ついに現れました。
大晦日のNHKホールでこの曲を歌うあいみょんの姿が、私にはハッキリと見えます。

 

聴きこむ編集部ライター 吉田昂平: 大学で映画評論を専攻。映画、音楽、サッカー、野球に情熱を燃やす。バンドでベースとギター経験もある、弾けるライター。

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