Suchmosと香川真司、彼らが生み出すグルーヴについて


Fans on stadium soccer game Confetti and tinsel
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2018619日。日本代表がコロンビア代表を21で下し、ロシアW杯初戦で勝ち点3を得ました。前半開始早々、ファースト・アタックでPK奪取と一発退場。これ以上ないダメージを受けたコロンビア代表でしたが、地力の差と戦術眼、何より日本代表の拙い試合運びとGK川島選手の判断ミスで前半のうち同点に。しかし後半日本代表がなんとか修正。動けないハメス・ロドリゲスを後半途中から起用したペケルマンの采配ミスでバランスを崩したコロンビア代表から勝ち越しゴールを奪い、逃げ切りました。

完全に勢いと自信、ポジティブなエネルギーを漲らせた日本代表は続く23日の第2戦でもアフリカ最高の完成度を誇るセネガル代表相手に特に攻撃面で最高のプレーを披露。22の引き分けに持ち込み、貴重な勝ち点1を手にしました。

コロンビア戦のテレビ中継のハーフタイム、堂々としたパフォーマンスを披露したのがNHKW杯テーマソングを担当したSuchmosです。その楽曲「VOLT-AGE」はThe Beatles Helter Skelter」を思わせるギターから始まる演奏が身体を、そのど真ん中で響くファルセットの効いたYONCEのヴォーカルが心を揺さぶるセクシーなミドル・テンポのロック・チューン。一部で「盛り上がらない」などと言われていますが、この曲はお手頃なカタルシスを提供する販促物とは違います。手数をかけ過ぎない「間」を活かした各パートのアンサンブルによるグルーヴに身をまかせ、揺れるうちに高まる熱を感じる。皮膚の感触、汗、匂いが立ち込めてくるような、快楽に満ちています。

 

コロンビア戦、セネガル戦で攻守に効いていたのが大迫選手、香川選手、柴崎選手の3人でした。彼らに共通しているのは「間」の使い方です。DFMFMFFWの「間」に入り込み、ボールを受けて少ないタッチで展開する。それによりサイドの乾選手、酒井選手らを動かしグルーヴさせて、ピッチ上に熱を生み出します。その熱がコロンビア、セネガルの選手をじりじりと焦がし、パワーを奪っていました。

 

過去2大会の日本代表チームとNHKのテーマソングを振り返ってみると、不思議と両者は合致します。大会直前でチームとしての魂を改革して結果を出した南アフリカ大会、ニッポン日の丸特攻隊よろしく自分たちのスタイルを前面に押し出して無残に散ったブラジル大会。後付けだと思われるでしょうが、日本代表はその時の日本社会の空気を反映しますし、空気を読んで決められるのがタイアップです。終わってみれば「VOLT-AGE」がロシア大会の日本代表を象徴する楽曲になっているのではないでしょうか。よく見てみるとYONCEと香川選手は似ている気がしなくもない…ような。

 

聴きこむ編集部ライター
吉田昂平: 大学で映画評論を専攻。映画、音楽、サッカー、野球に情熱を燃やす。バンドでベースとギター経験もある、弾けるライター。

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